ボールを追いかけて
□君が相手してくれるから。
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私たちは雷門中を卒業して、それぞれの志望高校へ入学した。
それは、私も例外ではなく。
「おはよう!秋ちゃん!」
「おはよう。捺喜ちゃん」
朝のガールズトークの始まりだ。
「−−でね、そのケータイ小説で泣いちゃったの!!」
「あ、あれね?夜に読んだらダメよ?続きが気になっちゃうし、余計に泣いちゃうから〜」
「分かってるんだけど、時間的に丁度いいんだよね〜」
「捺喜!秋!」
話に夢中になっていると、後ろから、呼ばれた。
振り返って見ると、
「守に、風丸。おはよう」
「円堂くん、風丸くん、おはよう」
「あぁ!おはよう!!」
「おはよう」
守と、風丸は、朝練をしたらしくしっとりと汗をかいていた。
「朝練してたの?」
秋ちゃんが、聞くと
「高校サッカー部に入る前にな!」
「あ、そっか。今日入部テストかぁ〜」
なんて、しみじみ言ってると、3人が不思議そうな顔をして私に聞いてきた。
「なぁ、捺喜は、サッカー部入んないのか?」
皆考えは同じだったのか、目で訴えてきた。
「はいるよ〜?でも、選手には、してもらえないなぁって」
そう。私は女子。
高校に女子サッカー部なんて無いだろうって考えていたのだ。
「でも、できれば、また守や、風丸とサッカーしたいなぁ」
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