ボールを追いかけて
□雪の中の光
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「さっむー」
ちょっと大きな声で言ってみる。
「あーぁ。手袋とか持ってくれば良かったぁ。」
そんなことを呟きながら、大雪原を歩く。
「学校でサッカーしてくれば良かったなぁ。」
そうすれば、吹雪くんとも帰れたのに。
なぁんて、今更。って、言っていると、
「捺喜ちゃん!」
・・・ん?
あぁ、私はとうとう耳までやられちゃったのね。
「捺喜ちゃん!」
ガシッ
と、肩を捕まれた。
「あれ?吹雪くん?本物だぁ。」
「『本物だぁ。』じゃないよっ教室で待っててっていったよ?僕。」
ちょっと、呆れたように言う吹雪くん。
「えっ嘘っ!?」
そんなこと言ってたっけ