忍日記
□風に誘われて
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石がある。そこには、たくさんの者の名が刻まれていた。
きっと殉職した忍の名だろう。
ならこれは、慰霊碑だ。
人の姿は見当たらないが、人の気配がする。
俺を狙っているわけではない。
この場所にただ寄り添うようにある気配。
ザァッ...
と風が吹き、慰霊碑の裏側から、・・・あれは髪の毛だろうか。
サラサラ揺れているそれ。
気になって慰霊碑の裏側を覗いた。
そこには、二人の少女と、一人の少年がいた。
一人がこちらに気付いたように目を覚まして、口に人差し指をあてて、「しー」といっている。
静かにしろということか。
そのあと、少年が目を覚まし、俺を見て驚いていた。「なんで、オレらのことみえるんだ?」と、少年は、少女に聞く。
そのあと、少女は、俺に、「彼女のことお願いね」と言い、少年と・・・消えた。
少女らのことは置いておこう。
「・・・アヤカ起きろ」
「ん・・・?あれ?我愛羅?なんで、木ノ葉に?」
俺は、「任務で」と答え、黙った。
「そっかー。そっちも大変だねー。他の人は?」
俺が一人でいることが珍しいとでも言うように、言ったので、
「テマリは、温泉街に行って、カンクロウは、・・・知らない」
「あー。そっか。休憩中なんだ。じゃあ、そろそろ出発じゃない?」
「・・・そうだな」
「一緒に行こうよ。どう帰るか分かんないでしょ?」
「あぁ・・・頼む」
「素直でよろしい!」
えへへっと微笑む彼女に一瞬ドキッとした。
「・・・?(ドキッ?)」
胸に手を当ててみるが、何もなく。
「?どうしたの?我愛羅?」
と呼ばれてハッとした
「いや。なにもない。」
「そう?」
そう言って並んで中心街まで帰る
風に誘われて
END
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