忍日記

□失いたくないもの
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『な・・・ナル、ト』

アヤカ?
どうしたんだってばよ・・・?

『ご、・・・なさ、い。』
聞こえないってばよ・・・アヤカ・・・

『ナルト、ごめんなさい・・・』

!?アヤカ?アヤカ!?

声がでない。
目の前のアヤカが、霞んで・・・小さくなって、そして、

ブシャァッッ

真っ赤な、綺麗な赤い、紅い、朱い、血が、目の前にいっぱいに広がる・・・

そして、いなくなったはずのアヤカが、俺の腕の中横たわっている。胸から、赤い血が、とめどなく流れていて・・・。

・・俺の手にはべっとりと誰かの血が、付いている。

・・
誰か、なんて、ここには一人しかいない。

「アヤカ?アヤカ!?アヤカ!」

嫌だ!いやだ!!イヤダ!!!

アヤカ、アヤカ、アヤカ!!

ガバッ!

「ハァ、ハァ、ハァ、・・・」

ゆ、夢・・・?

時計を見ると時刻は、夜中の2時。
完全に夢だ。

だって隣には、静かに息を立てて寝ている、アヤカがいるから。

「アヤカ・・・」

名を呼び、触れる。
暖かい・・・生きてる。
良かった・・・

「んう?ナル、ト?」

アヤカが起きた。

「よ、かった・・・アヤカ・・・!!」

「くる、しいよぉ・・・なる、どうしたの?」

まだ寝ぼけているアヤカが、へにゃっと笑って問う。
「アヤカ、アヤカ・・・っ」

カタカタと震え始めた俺の様子がおかしいと感じたらしく、

「ナルト?どうしたの?ナルト??」

俺の名前を呼んでくれる。

「俺、夢をみたんだ・・・」

「うん・・・」

俺が話しはじめたのを聞きながら静かに頷くアヤカ

「アヤカが、いなくなって、」

「・・・」

「そして、次の瞬間アヤカから大量の血が出ていて・・・、俺の手にアヤカの血がべったり付いていて・・・」

「ナルト!」

優しく抱きしめられた。
アヤカの腕に包まれて・・・。

「アヤカ・・・」

「もういいよ。大丈夫。あたしは、ナルトから離れないよ・・・。もうあんな思いはしたくないよ。ずっと一緒にいるから」

だから、大丈夫だよ。

「アヤカ・・・」

「まだ早いよ。もう少し寝なよ、ナルト」

「アヤカ・・・なぁ、なでてくんね?」

「ん?・・・いいよ?」

横になりアヤカが俺の頭を撫でてくれた・・・。

「アヤカ」

「ん?」

「愛してる。アヤカ」

「え///あ、うん//あたしも。」


失いたくないもの。


それは、命よりも大切な人。


(もうぜってー離さないからな?)
(うん。離さないで。)


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