忍日記
□余命一ヶ月の婚約者
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あれから、何日かたった。・・・サクラは、ドンドン痩せていく。
そんなサクラを見ているのが辛くて、会うたびに
「サクラ、毎日ちゃんと食べてるのー?」
と聞くそうすると、
「食べてるわよー?ちょっとダイエット中だけど」
と答える
分かってる。サクラが無理して笑っているのも。
分かってる。サクラが痩せていく原因も。
全部あたしだってこと。
ガララ...
「!・・・サイ?」
いつも来る人は、サクラ、綱手様、カカシさんの3人。たまに、テンz・・・ヤマトさんも来てくれるけど、
「はい。大丈夫?体調は。」
と普通に会話をしてくれる。
――――あの偽物の笑顔で。
「無理はしなほうがいいよ。」
「うん、ありがとう」
あたしも、偽物の笑顔で微笑み、
「また、時間がある時に来るよ」
「これからもしかして、任務?」
「うん。そう任務」
「そっか、気をつけて」
「ありがとう、アヤカ・・・」
サイが立ち止まる
「サイ?・・・むぅっ!!」
無言で振り返ったサイに首をかしげ、呼んだ瞬間、唇にキスをされていた、ほんの一瞬…
「アヤカ、好きだよ。じゃあ、またね」
“またね”といったサイの表情は何とも言えない切なげな顔と、一生の別れを含んだ…愛おしそうな顔をしていた
ガララ...
「・・・卑怯だよ。」
ポタ..ポタタ...
と目から涙が落ちる
ナルトにしろ、サイにしろ・・・卑怯だよ。
あたしはもう、しんじゃうんだよ・・・?
「本当は、―――――」
もっと生きたい。7班の皆と・・・。もっと一緒にいたい。
バカやって、カカシさんに怒られて、笑って、泣いて、修業して、任務して・・・。
「もっと、もっと、もっと・・・生きたいよ・・・っ」
ぅっ・・・ふっ・・・
でもそれは出来ないから。
そろそろ、
さようならの時間だ・・・
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