恋に落ちた海賊王:シン

□『不動の心』 シン短編
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シリウス号の朝は
みなバタバタしている。

特に・・・○○・・・。


「ああっ!」

と・・・1人いつも走り回ってるので、よく転びそうになっている。
それを舵から見ていたシンが・・・

「オマエ・・・少しは余裕をもって仕事ができないのか?」

と・・・そう言いながら歩み寄ってきた。

「あ・・・シンさん・・・エヘヘ・・・。」
「エヘヘじゃないだろう・・・。いつも1番バタバタしてるのはおまえだけだぞ?」
「あはは・・・そうですね。」
「ったく・・・その洗濯物をかせ。」

シンは○○が手にしていた洗濯物を持って、甲板から降りていった。




昼ごはん時。


「おい!○○!」

と?キッチンからナギの叫び声が聞こえた。

「わあぁぁぁぁっ!す、すいません!」
「・・・それより、オマエは大丈夫なのか?」
「はい!・・・っていいたいけど・・・。」

スープを運ぼうとして、こけた瞬間に、自分にかかってしまった○○。
それを航海室から見ていたシン・・・。

「あいつは・・・またか・・・。」

航海室から出てきたシンが
キッチンの入り口付近にいた○○の腕を掴んで
シャワールームへ向かう。

「シ、シンさん?ど・・・どこへ?」
「スープ臭いまま、今日の残りを過ごすのか?オマエ・・・。」
「あ・・・そうですよね。」
「ったく・・・。」


シャワーを浴び終わった○○。
その前で仁王立ちして待っていたシン。

「シ、シンさん?」
「とっとと着替えろ。他の連中はもうメシを食い始めてる。」
「はい!急ぎますね!」


今日も朝からシンに怒られてばかりの○○。
でも、嫌な顔1つしないどころか、いつも笑顔だった。


(ここんとこ、あいつを叱っても、なんでいつも笑っているんだ?)





食事が済んで、少し時間ができた○○。
甲板でぼーっと、海を眺めていた。

「天気がいいな〜今日は・・・。」

ぼんやり見上げながら呟いていたら

「随分能天気だな?」

と、シンが背後にたっていた。

「シンさん・・・。」
「オマエ・・・最近、オレに叱られても、なんでいつもヘラヘラしてる?」
「え?そうですか?」
「あぁ・・・。何度怒られても、お前はいつも笑顔だ。自分がバカなのがわかったから、反抗するきにもならなくなったか?」

ちょっとにやけて笑いながら言うシンだが・・・

「あはは!そうかもしれません!」
「・・・開き直る問題じゃないだろう・・・。」
「開き直ってなんかいませんよ?」
「じゃあ本気でバカを認知したのか?」
「ふふ・・・これが私なんです。」
「・・・反抗もしないのか・・・。」
「してほしくて、いつも意地悪いうんですか?」
「そんなわけないだろう・・・ったく・・・。」
「シンさんが怒るときは、優しさと一緒だから、反抗はしないですよ。」
「どういう意味だ?」
「シンさんは・・・優しいですから。」
「ほぅ・・・随分わかったような口を効くようになったな、○○。エロくて、意地悪なオレの全てを知ってるかのような言い方だな。」
「意地悪でも、エロくもないですよ・・・シンさんは優しいし、知らないところで人よりも努力してるし。」
「ふ〜ん・・・。」

そう言って、○○の顎を掴むシン。

「こんなことされても、意地悪じゃないと?」
「はい!」

と・・・元気よく答える○○。

「しつけが足りないようだな・・・。」
「そうですね!」
「・・・。」

(○○に見透かされてるような感覚になるのは何故だ・・・)

○○の顎から手を離し、何も言わずに航海室に入っていったシン。





(最近のアイツは、何をしても怒らないし反抗もしなくなった・・・まさか・・・オレが見切られてるのか?)


○○の言動がどうも腑に落ちないシンは
1人机に座り、思考をフル回転させるが・・・。






夜・・・。
シンが部屋に戻ってくると
本を読んで起きていた○○。


「まだ寝てなかったのか?」
「はい。」
「もしや・・・オレにお仕置きでも厚顔するのに起きていたんじゃないだろうな?」
「あははは・・・そうかもしれないですね。」

と・・・○○は笑いながら、ベッドを直していた。

バタン。

シンは○○をベッドに押し倒し
首に唇を這わす・・・。

「んっ・・・。」
「・・・こうされたくて起きていたんだろう?」
「・・・シンさんが遅くまで起きて仕事してるのに、先に寝たら失礼だから起きてたんです。」
「・・・オマエ、最近ずっとオレが戻ってくるまで起きていたのは、そんな理由か?」
「はい・・・。」

シンは体を起こし、ベッドに腰をかけなおす。

「何故最近、反抗しなくなった?」
「へ?」
「何を言っても、流すだろう?最近のオマエは。」
「・・・私が悪いと自分でわかってることしか、シンさんは怒ってこないからです。」
「前はよく反抗してたじゃないか。」
「・・・シンさんの優しさが、まだよくわからなかったからですよ。」
「オレが優しい?」
「はい。確かに怒ってきますけど、それだけじゃないですから。」

シンをじっと見つめる○○・・・。

「シンさんは言葉にださないけど、行動にでてます。優しい気持ちが。」
「ふん・・・気のせいじゃないのか?」
「言葉も・・・知らない人が聞いたらキツイかもしれないけど、言葉の後ろに優しさがあります。」
「だから反抗もしなくなったのか。」
「反抗するってわけじゃないですよ。」
「ん?」
「シンさんが怒る内容が、確かにそうだから・・・。」
「嫌味を言っても、怒らなくなったじゃないか、○○。」
「あはは・・・それは、シンさんなりのコミュニケーションだと思ってるので・・・。」
「・・・。」
「シンさんは、いつも必ず見えるところにいてくれます。そして見ててくれる。」
「・・・。」
「あたしは・・・とても幸せです。」


そう○○が言うと
急に抱きしめてきたシン・・・。


「おまえは全く・・・。」
「???」
「だから・・・離れたくないんだよ・・・。」
「シン・・・さん??」
「・・・。」
「だって・・・あたしは・・・シンさんが大好きですから・・・。」
「それ以上はいうな・・・○○。」

優しいシンの口付け・・・。
そして、優しい微笑み。

「オレは、おまえ以外は苛めるきがしないからな・・・。」
「ふふ・・・そうですね。」
「オマエだから・・・。」

再びそっと○○をベッドに押し倒し
夜が更けていった・・・。



















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