恋に落ちた海賊王:B/L

□ハヤテxシン〜相思相愛〜
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(やべぇ・・・)

戦闘中のハヤテ。
自分が剣を振るう前に
敵に剣を振るわれる・・・。

その時。

「ハヤテ!どけっ!」

と・・・
シンがハヤテを軽く突き飛ばし
前に出て、銃で敵を撃つ。

「何してんだ!さっさと立ち上がれ!敵はまだまだいるんだぞ!」

シンは弾を補充しながら、ハヤテを怒鳴った。

「わかってるよ!!!」

すぐさま立ち上がって、敵をなぎ倒していくハヤテ。



どうにかシリウスが勝利したこの戦い。
ハヤテは、若干、息切れしていた。

(今回の敵は・・・少し強かったな・・・)

傷こそないが、相手の人数も多かったせいか・・・いつもよりも疲労困憊していた。


「飲めよ。」

甲板にしゃがみこんだまま、項垂れるハヤテにシンが飲み物を差し出した。

「なんだよ?」
「グレープフルーツジュースだ。」
「あぁ?」
「筋肉の疲労には効く。飲んでおけ。」

ハヤテに飲み物を渡して、航海室に入っていくシン・・・。


飲み物を飲みながら、ふと・・・。

(そういや、ここんとこの戦闘・・・必ずシンが傍にいんな・・・)

ぼーっと航海室を見上げるハヤテ。

(そして必ず、オレのカバーにシンが入る・・・ナギ兄やソウシさんもいんのに・・・いつもシンだな・・・)


ジュースを飲み干し、グラスを下げにキッチンへ向かった。





「今夜は早く寝るか・・・。ったく・・・疲れたぜ・・・。」


早々にシャワーを浴びるハヤテ。

と?
シャワーに入ろうとドアを開けたら、シンが鏡を見ていた。

「おい、何してんだよ。早く・・・。」

ハヤテの目に映ったのは、シンの腕だが・・・。

「怪我したのかよ?」
「・・・こんなもん、かすり傷にすぎん。」

と、シャワールームから出ようとしたシンとすれ違ったとき
ハヤテの脳裏に、今日の戦闘シーンの1コマが浮かんだ。


(そういや、あんとき・・・)

シンの腕の怪我の位置は
自分を庇った時についたものだと
何故か確信した。

「おい、シン!その傷、さっきの・・・。」
「そうだが?それがどうした?」
「オマエ・・・オレを庇った時についた傷だろう?それ。」
「戦闘に傷はつきものだ。どんな時についたのか、もう忘れた。」

タオルを首にかけ
シンは自室に戻っていく。

(ったく・・・いつもス素直じゃねぇよな・・・あいつ)



疲れを取るのに、ゆったりとシャワーを浴びるハヤテ。
少しドアが開いていた・・・
その向こうには、腕を押さえながらハヤテを見ているシンの姿があった。


シャワーを浴びて部屋に戻ったハヤテは、すぐに眠りにつく。




翌朝・・・
なにやら医務室でソウシとシンが話しているのが聞こえて目覚めたハヤテ。

(ん?・・・ソウシさんとシンが話してるのか?)

目を擦りながら、医務室に向かうと、ドアが開きっぱなしになっていた。



「シン・・・傷が化膿してるね。結構深い傷じゃないか。なんで昨日こなかったんだい?」
「すぐに直ると思ったんですよ。」
「痛みがあったんじゃないのかい?この傷だったら・・・。」
「これくらい、なんでもないです。」
「シン・・・怪我を甘く見てはいけないよ?」
「わかってますよ。」


治療が終わり、シンが医務室からでてくると
ハヤテが腕組をして壁に寄りかかっていた。

「おい。深い傷だったんだな。」
「・・・たまたまだ。」
「なんでオレのせいにしないんだよ。」
「オマエのせいじゃない。オレがミスった話だろう。」
「素直じゃねぇな・・・ったくよ・・・。」
「傷はいずれ治る。問題はない。」

シンが部屋に戻ろうとしたとき、船が揺れて、怪我の部分が壁にぶつかった。

「くっ・・・。」

唇をかみ締めるシンに

「無理すんなよ。」
「うるさい!」

と、部屋に入って思い切りドアを閉めるシンを見て

「ふふ・・・かわいいねぇ・・・シンは。」

と?
ハヤテの背後で、ソウシがクスクス笑っていた。

「かわいいすか?シンが?」
「あぁ・・・。ハヤテは・・・ま、そんなもんだろうね。」

ハヤテの顔を見ても
クスクス笑うソウシ。

「な、なんすか?」
「いいや・・・。ま、いずれ時間が解決するだろうからね・・・。」

そう言って
ソウシは医務室に戻っていった。


(なんなんだよ・・・ったく・・・)

シンの傷が気になるハヤテだが。

(なんでオレのせいにしないんだよ・・・)

出会った当初は喧嘩することが多かった2人だが・・・。
ここんとこ、シンはへんにハヤテには食って掛かってこなくなっていた。


(言いたいことがあるなら、はっきり言えよな!ったく・・・シンのやろう・・・)


ハヤテも、眠り足りないのか・・・
自室に戻って、また寝てしまった。





〜続く〜








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