恋に落ちた海賊王:ソウシ
□『月の灯りの温かさ』 ソウシ短編
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薬草の調合が終わって、医務室を出たソウシ。
時は既に0時を回っていた・・・。
静かに自室のドアを開けると
無邪気に寝ている○○が視界に入ってくる。
「さすがにこの時間までは起きてないか・・・。」
少し淋しさを感じながらも
○○を起こさないように静かにBEDに腰を掛けた。
「可愛い寝顔だね・・・相変わらず・・・。」
窓から薄っすらと入る月明かりが、○○の顔を照らしている。
船が波に揺れて・・・
月明かりも、それに合わせて揺れていた。
「本当に君は可愛いね・・・○○・・・。」
ソウシは静かに自分の手を○○の頬に添える。
暖かな頬。
安らかな眠り顔。
「今頃・・・どんな夢を見ているんだい?○○・・・。」
真顔でじっと○○の寝顔を見つめるソウシ。
「ずっと見てても飽きないな・・・。オレをこんなにも惚れさせるなんて・・・一生涯、○○だけだろうね。」
ソウシは少しかがんで、○○の髪に唇を落とす。
「いつもながら、綺麗な髪だね・・・。」
また、上半身を起こして、寝顔を見つめなおすソウシ。
「好きだよ・・・。いや、好きじゃ、もう足りないかな・・・。○○・・・愛してる・・・愛してるよ・・・。」
布団からはみ出ていた○○の手を
そっと握る。
「オレの傍にいて・・・君は幸せ?○○・・・。」
答えのない言葉をかける。
「傍に・・・いてくれるなら・・・オレは必ず○○を幸せにするからね・・・。ふふ・・・聞こえてないのにね・・・。」
寝顔から視線を外さないソウシ。
と?・・・。
「ん・・・。」
寝ぼけた声で、寝言なのか?起きたのか?わからない○○。
「起こしちゃったかな?」
しばし、黙って見つめていると、また寝息に変わる・・・。
「オレの宝物・・・オレだけの○○・・・。君の夢までも独占したいなんて・・・贅沢かな?ふふ・・・。」
ソウシが優しく髪を撫でていく・・・。
月の灯り・・・波の音・・・。
そして、愛しい人の寝息・・・。
「抱きしめて眠るだけで、俺はとても幸せな気持ちになれるんだよ?○○・・・ありがとう。君が教えてくれた世界だ。人を愛すること。愛してもいいこと・・・。命の大切さ・・・。君がオレに教えてくれたんだ・・・。君を抱きしめて眠る幸せは、生きていてこその幸せだ・・・ありがとう・・・○○。」
そして、○○を抱き包むように
眠るソウシ。
毎晩の幸せをかみ締めながら
明日も、続くようにと願いながら・・・