12/28の日記

22:00
一年の長さ 何か求め歩き続けて
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子どもたち、この一年は、君たちにとって、どのような年でしたか。私は、いつもどおり、大学の講義、本の執筆、日本各地で講演、そして夜回り、メールでの相談への対応と、季節を感じることもなく、忙しい日々を、何とか生き抜きました。忙しいこと、いいことです。何かを悩む暇もありませんでした。ただ、ただ、ていねいに、一日一日を、一つひとつの出会いを、生きてきました。

 子どもたち、こんな経験はありませんか。つまらないたいくつな授業だと、1時間がとても長く感じるのに、大好きな人とのデートだと、一日があっという間に過ぎていく。きっとありますね。子どもたち、実は、時間には、2つの時間があります。客観的時間と、主観的時間です。客観的時間、これは、時計が刻んでいる時間です。私たちが、起きていようと、寝ていようと、何をしていても、ただ冷酷に、そして正確に、一定の速さで、時が刻まれていきます。主観的時間というのは、私たちが感じる時間です。つらいときや嫌なことをしているときは、時が過ぎていくのが、長く感じますし、楽しいときや何かに夢中になっているときは、あっという間に時が過ぎていくはずです。

 子どもたち、君たちにとって、この一年は、長かったですか、それともあっという間に過ぎていましたか。あっという間に過ぎていたと感じている子どもたち、それは、君たちにとってこの一年が、何かに熱中し、とても実り多い楽しいものだったからです。その幸せをきちんと感じてください。そして、来年も、その何かを大切にし、幸せなものにしてください。

 長かったと感じている子どもたち、それは、君たちが、この一年、日々の目の前のつらさや嫌なことにまどわされ、そして、悩み続けて過ごしてきたからです。そんな君たちにお願いがあります。この冬休みに、自分一人でも、何か熱中できることを探しませんか。ただし、ゲームやインターネット、メールや携帯電話は困ります。音楽を聴くこと、あるいは歌ったり演奏すること、踊ること、あるいは、本を読むこと、文章を書くこと、運動ならもっといいです。マラソンや登山、ハイキング、最高です。私は、青春時代は、マラソンと登山にはまっていました。そして、一年を通して、それを続けてみませんか。きっと、今年君たちのこころを覆っていたもやもやや、つらさが嘘(うそ)のように消えていきます。

 子どもたち、特に今年立ち止まってしまって長いつらい時を過ごした子どもたち、歩き始めよう。歩き続けよう。何かを求めて。歩き続ければ、必ずその何かが見えてきます。

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