12/07の日記

17:41
三つの声 「こころの声」大切に
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子どもたち、私たち人間の体の中には、私たちを動かし、制御する、三つの声があることを知っていますか。それは、「からだの声」「あたまの声」「こころの声」です。私たち人間は、この三つの声によって、その時その時を動かされています。難しいですか。

 子どもたち、例をあげてみましょう。君たちが、昨日から何も食べていなくて、空腹で死にそうだったとします。しかも、お財布には、一銭のお金もない。そんな時、パン屋さんの店先においしそうなパンがたくさん並んでいて、そこにはだれもいなかったとします。そんな時、「今ならだれもいない。このパンを盗んでしまおう」、そうささやきかけてくるのが、「からだの声」です。欲望といえばいいのでしょう。「いや、もしも捕まったら、刑務所に。罰を受け、自由がきかなくなるから、止(や)めよう」とささやきかけてくるのが、「あたまの声」、理性です。「これを、私が盗(と)ったら、一生懸命このパンを作り、それを細々と売って、生活している人や、自分を愛している人を哀(かな)しませる。止めよう」とささやきかけてくるのが、「こころの声」、道徳です。こう書けば、わかってもらえましたね。

 子どもたち、君たちは、どの声を大切にして日々生きていますか。これを、今回書いているのには、理由があります。このところ私の元に、恋人からからだを求められ、妊娠し、そして捨てられ、自らを傷つけながら死へ進もうとする多くの女性から、相談があります。哀しいことです。多くの男性が、ただ女性のからだだけを求めて、女性とつきあっているようにすら見えます。

 これを読んでいる、男性たちにいいたいことがあります。交際している女性に対して、「からだが欲しい。セックスしたい」というのは、君の「からだの声」です。でも同時に、「セックスをして、もしも彼女の親から訴えられたら、学校にばれたらやばい」と考えるのは、「あたまの声」です。そして「今、まだ結婚もできない、子どもができても育てることのできない状況で、セックスをすることは、愛する彼女を傷つける。よそう」と想(おも)うのは「こころの声」です。君たちは、相手に対して、どの声を大切にしていますか。どの声に従うことの中に、愛がありますか。

 子どもたち、私は、すでに53年の人生を生きてきました。私にも数え切れないほどの失敗があります。たくさんの人を傷つけましたし、今思い出しても恥ずかしくなるようなことをしたことも、たくさんあります。そんな私が君たちに伝えたいのは、どんな時でも、「からだの声」「あたまの声」「こころの声」、この三つの声をしっかり聞いて、そして、「こころの声」に従って生きようということです。胸を張って生きるためにも。

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