11/02の日記

23:28
殻の中の自分 人と関わり生きよう
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子どもたち、今君たちにして欲しいことがあります。それは、自分の顔を、道具を何も使わずに見て欲しいのです。どうですか、できますか。できましたか。できるはずがありませんね。私たちは、鏡や何かに、自分の顔を映してしか、自分の顔を見ることはできません。それでは、今度は、自分がどんな人間なのか、考えてみてください。これは、いくらでもできるはずです。そして、特に自分の嫌いなところをできるだけ多く、紙に書いて、そして、それを、親や友だち、先生に見せてください。そして、彼らの考えを聞いてみてください。まず、間違いなく、みんなは、「君は、そんなに嫌な子ではないよ。良いところがいっぱいあるし、考えすぎだよ」と言うはずです。

 子どもたち、私が、君たちに伝えたいことは、自分で自分を考え込んでしまうことの危険性です。私の元には、毎晩、数え切れないほど、自分のことを自分で考えすぎ、そして、自分に自信がなくなり、あるいは、自分を嫌いになり、その自分を自殺によって捨てようとしている子どもたちから、多くの哀(かな)しいメールが届きます。自分を自分で考えることは、自分の顔を、鏡や道具を使わずに見ようとしていることと、同じです。自分の顔を自分で、どんな顔なのかをいくら想像しても、意味がありません。鏡を使ってみることで、きちんと見えるのです。自分のことを、いくら自分で考えても、そこから本当の自分なんて見えません。自分は、他の人との関(かか)わりの中でしか、見えてきません。他の人が、どう君のことを考えているかを、きちんと聞き、そして感謝し、反省することを通して、自分を良い存在へと変えていく、これが重要なのです。

 また、子どもたち、自分は、いつも進化しています。人との関わりの中で。だれかを傷つけたとき、それをきちんと反省すれば、より優しい存在に進化していきます。何か失敗をしたときも、それを乗り越え、きちんと償い、次には、その失敗を繰り返さないように進化していきます。子どもたち、私たち大人は、他者との関係の中で、いつも自分を学び、反省し、進化させ、そして、生きてきました。この他者との関係を切り、自分の殻の中で、自分を見つめ考えることは、君自身の進化を、明日を捨て去ることになります。それ以上に、君を追い込み、哀しみの底に引きずり込んでいきます。

 子どもたち、「自分探しの旅」止めよう。自分のことを、くよくよ考え悩む暇があったら、外に出よう。そして、多くの人たちと、自然と関わろう。できる限り、人のために、自然のために、何かをしながら。そうすれば、必ず、明日の君が拓(ひら)かれてきます。

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