おはなし T

□朝一番の贈り物
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朝一番の贈り物

カタン
高い音に目が覚めた。
無意識に隣りに寝ているはずの人物を手探りする。

── いない ──

「ヴォルフ?」
驚いて覚醒しきれていない体を起こす。
周りを見まわすと、机の辺りに人影が見える。

「なにやってんの。ヴォルフ?」
声を掛けると、ビクッと反応しこちらを振り返る。
「ユーリ、起きたのか?まだ、真夜中だ。明日の朝も早いのだろう?もう寝ろ」
「おまえは?」
おれが寝ようとした時には、ぐぐぴ。ぐぐぴ。気持ちよさそうに眠っていたのに。
「ああ。朝までに渡さなければならない書類を思い出した。もう終わるから、心配するな」
「うん、わかった。早く寝ろよ」
「あぁ」
それっきり、おれは3秒も持たずに寝入ってしまった。




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