夢物語
□白い日の黒
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静雄×臨也
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今日はホワイトデー。
………。
俺は、街中をまわりながら、一ヶ月前のことを思い浮かべていた。
バレンタインデーに愛しい愛しいシズちゃんに、愛を込めてチョコをあげた。
あげたっていうか…
自販機持って暴れてたから、懐に潜り込んで、口移しでチョコを食べさせ、ポケットにもチョコを入れてきた。
流石に手作りは出来なかった。
時間的な面もあったし…なにより、自信が無かった。
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池袋の、いわゆる腐女子達の中では、俺とシズちゃんが付き合ってるって噂が流れてるらしいんだけど…
もうひとつ、カップル候補が居る。
シズちゃんとドタチンが付き合ってるってさ。
なんで…
なんで俺だけじゃないの?
噂でも、嫉妬心は燃え上がる訳で…
シズちゃんのことなら、何でも俺だけの物で良い。
…噂も俺との噂だけでいい。
過呼吸になりそうなくらい、この胸を締め付ける嫉妬心…
シズちゃんが俺だけのものになればいい…って独占欲。
俺の中で渦巻く感情。
このまま吐き出さなければ、俺が俺じゃなくなる気がした。
だから、あの日…
俺はチョコを渡してしまった。