ネクストワールド〜俺魔王
□ネクストワールド 前編
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一方大悪魔のジロー・メフィストこと俺はリンを連れてダーカー邸に行く、すぐに数枚の書類を手渡され入学することになった。
世にも噂のスピード入学です。
俺は金を稼ぎたいと嫌がったが、それなら任務だと言われ(脅され)仕方なしに了承した。
青春など腐敗してしまえばいい。
ただテストやら青春やらが面倒臭かった。
学校に行きたく無いだけである。
駄々をこねても仕方無いので、俺は次の日からブレザーっぽい変な制服を着て学校に行くことになった。
ハイキングに行く予定だったのでルーとミーは怒り狂ったが、それはもう怒れる獅子が如く、
セーレに宥められ、俺とリンで学校へ向かった。
歩くのも面倒になって風で浮く。
「おい、それは高校生には出来ないことになっているぞ」
リンの忠告を無視して、学校に先についてから隠れ場所をまず探した。
風の魔法でも人を浮遊させるには微妙な加減が必要で、
普通の高校生には出来ないと魔法関連の本には書かれていた、らしい。
中庭に生えた桜の木はかなりの巨木で登ったら隠れることが出来そうだ。
俺は登って登校してくる生徒の姿をぼんやり見ていた。
担任になる教師に言われた時間まではまだ数10分もある、ここで一休みしようと幹の上で横になって目を閉じた。
『ほう、珍しや』
不意に声がして目をあけると、反対側の枝に20cmほどの人の形をした女が座っていた。
「ひぃっ!おばけ!」
『失礼な、わらわは桜の精霊、名を桜月夜と申す。そちも名乗れ』
よくみたら美人だったちょっときつそうな目をしている。