ネクストワールド〜俺魔王
□ネクストワールド 前編
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おいおい、何故言う。
俺はため息をついてから数人の男女を見遣る。
馬鹿そうな男1人と女4人という大人数だった。
その全員が俺に注目する。
止めてよ、恥ずかしいんだから。
「ユートって外国からきたんだよね?」
と聞く黄色いショートカットの女。
「ああ、ジローもだよ」
と答えると、見覚えのあるセミロングの女がわかりやすく疑惑を顔に浮かべていた。
つまりこの女は俺とユートが別次元から来た存在だと知っているのだろう。
「所で何をしてるの?」
とユートは惚けたことを言う。
「見りゃわかんだろ?」
掃除だろ。
「どうして」
は?何言っているんだ?
「お金稼ぎに来てるんだろ」
それ以外に理由があってたまるか。
いや、あるけど。
「ジローって16才だったよな?」
ユートが確認するように言う。
その後ろから青い髪の美女がぼそり、と呟いた。
「この世界では労働法に違反するわ・・・」
それを補足するようにピンク髪の目の大きな女の子が付け加えた。
「あのですね、この世界では高校も義務教育になっていて、正規雇用は18才以上でないと法律に違反することになっています。
アルバイトだけは別のようですが。」
「え、マジで?」
ダーカーの会社が特殊という訳ではんだ無かったらしい、
ヤバいな。リンは18才だから問題は無いようだが。
「んじゃ、俺失礼するわ」
「ちょっと・・・」
俺は逃げるようにして小走りでリンを探しに行った。
後ろで呼び止める声がしたが無視だ。
面倒ごとには巻き込まれたく無い。