ネクストワールド〜俺魔王
□ネクストワールド 前編
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「リン、見つかったか?」
俺は一心不乱に本のページをめくっている少女に声をかけた。
何って、凛士朗の探しているものだ。
俺は朝食の準備、と言っても皿を出したりセーレの作ったパンを運んだりしているだけだが、
コップを両手に持ちながら振り返るとリンはソファーに座って背を向けている。
声だけの返答があった。
「いいや、セヴァスティカ語は読むのが時間がかかる。
この量では一生かかっても見つけられないな」
因みに本の内容は伝承や昔話、それの解説書等が最も多く。
歴史的な異常気象、それに関する書物、魔法や術の本等多種多様だ。
これでは凛士郎が何を探していたのか分からないし、読むだけ無駄だ。
「俺は読めないから手伝えないし・・・でも、ハンターの契約書は読めたな」
ダーカーは誰にでも読めるように様々な言語で書いてあるのだと教えてくれた。
そういや読めないページが何項目かあったな。
俺はリンの横に置いてあった大質量バックから数冊取り出して、試しにパラパラめくった。
本当に何が書いてあるかさっぱりだ。
「あれ?」
何か挟まっている。
俺はその茶封筒をリンに手渡した。
リンは驚いてすぐに中身を確認した。
そこには《オニを継ぐものに》、と書かれていた。
あれ?
読めたな、神洲の言葉は日本語と同じなのかもしれない。
自動翻訳のパラドックスはどうやって解消されるのだろうと違うことを考えていた。
文章は違う言葉なのに、読んでもらうと何を言っているのかが分かるということなのだろうか。
難しい。
もしかしたら日本語をそのまま違う字に置き換えているだけかもしれない。