ラブポーション
□暗闇の中の光
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玲都、心配してるだろうな
そう思っても、体は戻ろうとはしない
体は正直だから
いつの間にか、頬を濡らしていた
最近泣くこと、多くなった
理由はわからない
でも自然と瞳から溢れ出し、目の前の世界を霞める
涙で霞んだ景色は、いろんなものを遮り
黒ずんだこの世の中を隠してくれている気がした
ねぇ、ほんとだね
失って初めて大切さに気付く、って
持ってる人より持ってない人の方が価値がわかる、って
暗闇の中にいる人は有りもしない光を探し彷徨う
自分導く光じゃないとわかっていても、それに縋りたくなる
でも俺は、縋れるものなんてないんだよ・・・
そして空に手を延ばした瞬間、扉の開く音がした
振り向くと、一人の男が立っていた
「珍しい
先客居たのか・・・って椿姫?」
椿姫とは前にも説明したとおり俺のことで
「・・・えっと、誰?」