ラブポーション
□暗闇の中の光
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普通で
いつのもように過ごすことがこんなにも苦しいなんて
「一限体育だけど、着替えに行くか?」
「あー・・・」
そう言われて、体操服を持ってき忘れたことに気付く
はぁ・・・
なにやってるんだろ
「ごめん、体操服忘れたから先に行ってて」
「でも・・・」
「大丈夫!
誰かに借りてくるからさ」
そう言って教室を飛び出した
体操服なんて借りに行く気なんてない
少し前の俺だったら、体育の授業って聞いただけではしゃいでたのに
あはは、大人になったのかな
・・・なんて有りもしないこと考えてる自分がなんだか虚しい
飛び出したはいいものの、行く宛もなく歩き回って行き着いたのは、屋上だった
今まで来たことなかったんだけど、一度は行ってみたかったんだよね
いつこの生活に終わりを告げられるかわからないから
屋上の扉を開けると、思わず目を閉じてしまうくらい太陽の輝く青空が広がっていた
屋上のフェンスに乗り出して校舎の中を見たが、授業が始まったからか誰もいない
「あーぁ、サボっちゃった・・・」
俺のか細い声は空に消えていった