記念小説

□星に願いを
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「何さっきから作ってんだ?」

「んー?
ないしょ〜」

色とりどりの細長い画用紙が並べられた机

あと折り紙も

何をするのかわからない俺は、快に質問した

・・・教えてもらえなかったわけだが

「何書こうかな〜」

そう楽しそうにしている姿に、すこしイラつく

夜遅くに呼び出され快の家に行けば、ずっとこの調子

「おい、快!」

「ねぇ、あおちゃんはなんて書くの?」

「はっ??」

急に投げ掛けられた質問

「はっ、じゃないし
短冊だって、短冊!!
今日、七夕じゃん」

「七・・・夕?」

今日は7月7日

織姫と彦星が一年で一回逢える日

すっかり忘れてた

そんな年に一度の日なのに、今日は曇っていて天の川が見えない

「ね?
願いごと、書こうよ!」

そう言ってオレンジの短冊を渡された

「あぁ
でも、今日は織姫と彦星、出逢えないかもしれないな
曇ってるから」

雲がかかる夜空を見ながら、物思いにふける

「そんなことないよ、きっと」

俺とは違う意見を言い切る快

その自信がどこから来るのか、聞いてみた
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