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□白い狐
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「こ……来ないで!」
人里離れた暗い夜の森
木に縋り息を荒げている少女は厭らしい笑みを浮かべた三人の男に取り囲まれていた
「へっへ…大人しくしようや嬢ちゃん」
「悪ぃようにはしねえからさ」
「そうそう。あーっという間に済むからよ」
三人の男は少女にじりじりと詰め寄る
どうしよう…
さっきから逃げ回っていたせいか体力に限界が来ていた
足腰が言うことをきかない
こんな人里離れた森では誰かに助けて貰える可能性も低い
青ざめた顔を伝う汗はきっと疲労のせいだけではない
「大体よぉ…こーんなべっぴんがこんな時間にこんな所にいるのが悪ぃんだぜ?」
男の一人が舌舐め擦りをしながら少女に手を伸ばして来る
「いっ…いやあぁああぁぁぁあああ!!!」
少女は恐怖のあまり眼をぎゅうっと閉ざした
………しーん………
あれ…?
しばらく身を縮こませ、これから訪れる恐怖に構えていたが、一向に男が襲い掛かる気配がない
「………?」
恐る恐る目を開けると、そこには完全に伸びた男三人組がいた
「ひっ!!」
ビタン!
後退ろうとしたが、先程しがみついていた木にぶつかりまたそれにしがみついてしまう形になった
と、その時
何やら前方の茂みからガサガサという音がして、銀髪に白い狐の面を被った男がズボっと出て来た
「や〜、危なかったね〜」
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