† 集団エゴイスト †

□第四話 Absorption〜吸収〜
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あいつが最近少し楽しそうに見える。

周りもだんだん変化してきている。

全部が全部、良いことばかりではないけれど、お前の笑顔が増えるだけで…

それだけで、世界が明るくなったように感じるんだ。


何年もの間、こうなる事を今か今かと待ち望んでいた。


だって、お前のいない時間は本当に暗く寒く感じたんだ。



お前がいなくなると、きっと世界は陰ってしまう。

そんな気がするんだ。


だから早く戻ってこい。


・・・・早く

・・・・・・早く



*******


本日誠に晴天なり。


なんてナレーションをつけてもいいくらいの晴れ。


上を見上げると青空と太陽が色鮮やかに輝き、目に痛いくらい眩しい。

だが、今の俺は天気とは正反対で、どんよりと曇った気分だ。


「十代目、大丈夫っすか?」

「どうしたツナ?寝不足か?」


リボーンが来てから数週間


だいぶ今の生活にも慣れてきた。


「あ、いや昨日夜遅くまでゲームやりすぎちゃってさ…!」


まあいつもならそうなのだが…。

生憎昨日またも“ アレ”が起こってしまったのだ。


身体の内が焼けるように熱く、苦痛が身体の至る所まで広がってゆく。

俺は幼い頃からこの発作のような症状に何度も悩まされていた。

原因は今だに分からない。
おそらくこの身体に流れる血のせいだろうということ以外は。


今までは半年に一度、多くても二度起こるか起こらないか、というくらいの頻度だったのだが、最近は月に一・二度この発作に襲われている。
明らかに昔より回数が増えているのだ。


(…まさか悪化してるのか…?)


そう思いたくはないが、思い当たる節は回数だけではない。



苦痛に伴う熱も、だんだんと熱くなってきているように感じるのだ。


このままだと、俺はいつか身体の内から発火してしまうのではないのかと思ってしまうほど、発作の時俺の身体は尋常でない熱を発するのだ。



例え医者にみせたとしても、きっと原因不明の奇病として扱われるだけで、打つ手もないだろう。


ふん、この忌まわしい血は、どうやら俺をそうとう苦しめたいらしい。



「十代目、お辛いのでしたらあまり無理をしないで下さいね。」

「そうだぜツナ。体調が優れないなら家に帰って寝てた方がいいぜ?」



黙ったまま顔を歪めていた俺に、体調が悪いのではと思ったらしく、二人とも心配そうな顔でそう提案してきた。



「うん、ありがとう。けど本当に大丈夫だから。」

余計な心配を二人にかけてしまった事にちょっと後悔する。


「あ、ほら早く学校に行かなきゃ。遅刻になっちゃうよ?」


今だ訝しむようにこちらを窺う二人を急かし、俺達は学校へと向かったのであった。




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