† 集団エゴイスト †
□第十一話 cooperation〜連携〜
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街中を歩いていると、ふと異様な気配を感じ、後ろを振り向いた。
そこには見知らぬ少女が佇んでおり、予想とちがった結果に若干の落胆と安堵を感じた。
---なぜ一瞬あいつがいたと思ったのか。
自分の勘が外れたことに少し驚きつつ、再び前をむいて歩きだそうとしたその時…
「クッフッフッ……相変わらず鋭い男ですね。」
聞き覚えのない声で、聞き覚えのある独特な言い回しの台詞が聞こえた。
再びばっと振り向いた先には、先程の少女しかいなかった。
「…君、ふざけてるの?」
警戒しながら相手を見つめると、少女はすっと手を己の顔にかざした。
その手を下ろすと、なんと手の下から再び見えたのは見覚えのある男の顔だった。
「六道骸……」
知らぬ間に全体が少女から男へと変わっていた。
「クフフフ…、お久しぶりです雲雀恭弥。…少しお時間を頂いていいですか…?」
「やだね。何故僕が君に付き合わなければならないわけ?」
そう言って、相手に背を向け先へ進もうとした。
だが、
「沢田綱吉についての重要な話だ…といってもですか?」
その一言に、僕の足は自然に止まっていたのだった。
「場所を変えましょう。」
僕の返事が返る前に、相手さっさと先へ進んでいく。
渋々ながらも僕はあいつのあとについて行った。
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