神様Side

□露天風呂
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夜空に満天の星が煌めき、穏やかで
涼しい風が吹いている。

夜行性の生き物達が活発になり、
昼間動く物の大半が
寝静まったそんなころ。

神々の住むラドルエは、未だ
笑い声が聞こえてきていた。

その内容はいつもと変わらず、
ワーラーとウィンドがフレイムをからかい、
そんな夫を見てフレイヤが一喝し、
ウィンディが毒舌を吐くというもの。

その様子を、グラント夫妻の傍らで
微笑みながら見ていたレイは、
シュラの姿がないことに気が付いた。

(あら?先程までいましたのに…
どこに行ったのでしょう…。)

レイがきょろきょろとシュラの姿を
探していると、いち早くそれに
気が付いたグラントがソイルの肩を
とんっと叩いた。

ソイルは微かに肯くと立ち上がり
レイの手を引いた。

「教えてくれるのですか?」

ソイルは何も言わず、また手を引っ張り
グラントはレイの背を押す。

慌てて立ち上がると今度は、
ソイルに引かれて神々の輪から
外れていった。

向かった先は、火山の見える方向にある
森の奥だった。

 
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