神様Side

□対面
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はて…朝から嫌な予感はしていたんだ。

だからといって、こんな唐突に
私のテリトリーに来ることなかろうに…。




さる陽気な日。

丘の草原に寝背べったら、さぞかし
気持ち良く眠れるであろうほど暖かく、
良い風の吹く日だった。

しかし、朝から森の生き物達が騒がしく
どうにも快い気分にはなれずにいた。



まったく…それもそのはずだ!
原因はようやく昼頃に訪れよった。



「シュラー、また来てやったぜ〜」

魔界の王ことダークネスが、威厳の欠片もない暢気な口調で
“症気”をまといながらラドルエに来たのだ。


ゲシッ


「あだっ!」

取り敢えず一蹴り。

「てめっ…いきなり何すんだよぉ…」

『だまらっしゃい!…貴様が此処に来ることは
決して悪いことではない…だがな!
症気をまといながら来るとはどういう見解だ?』

我々地上に生きるモノ達は私含め、とても症気に弱い。

死ぬわけではない、ただ染まりやすいのだ。

そのことをダークが知らないわけがない!

「今回だけは大目に見てくれよ…
俺は別に良いんだけどこいつらがな…」

『こいつ等?』

どうやらダークは一人で来たのではないようだ。

「そ、こいつら………って居ねぇ!!?」

紹介でもしようとしたのか、
着いてきている“筈の”連中を振り返ったのだろう。



残念ながら誰もいないようだが…。


 
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