神々の話し
□水の神
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不思議な出来事から一週間。
3人は、働いてお金を稼ぎながら
いかにして城の中に入り込むかを考えていた。
ただでさえこんなご時世だ。
王がそうそう簡単に城の中へ入れてくれるわけがない。
何か良い策はないかと、ランブーが苦悩しているとき
ジルのもとに、朗報が入ってきた。
ジルは昼食時にそれをランブーへ伝えた。
「王様はここ最近の洪水に参っていて、解決した者、または
解決策を出した者をお城の中に入れるんですって!」
ジルは、国が経営する孤児院で仕事をしており
時折来る兵士達が教えてくれたのだそうだ。
「さ・ら・に!私達が精霊を封じた日から洪水が起こってないんだって!」
ランブーは勢い良く立ち上がりジルを抱きしめた。
これは、彼の感情が高ぶったときの癖である。
落ち着いてきたのかゆっくりとジルから離れると
「作戦を練り直してくる」
そう言って、一足先に部屋の中へ引き籠もってしまった。
こうなったランブーは良い案が浮かぶまで、なかなか出てこない。
そのことを良く知っている2人は、お互いに顔を見合わせ深い深い溜息をついた。