神々の話し

□水の神
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「我々は、ここのところ増加しているという自然災害を調査している者でございます」

ランブーは昨夜考えた嘘を、さも事実であるかのように語り始めた。

「ほぅ…災害とな?」

「左様にございます。そして今回、我々は
この周辺で頻繁に起こるようになった洪水を調査することになったのです」

またもや、王の眉がピクリと動く。

「して、その成果はどうなっておる?」

やはり気になるところではあるらしい。

「はい、原因の一つと思われる精霊を、10日ほど前
無事封じ込めることに成功いたしました」

「何っ!!」

王は勢い良く立ち上がり、兵士は武器を構えた。

でたらめを言うなという威嚇だろう。

「ティンク、頼む」

「はい、『水精霊タイガ・コスイ召喚』」

ジルがそう唱えると、タイガとコスイが現れ、王達の頭上を飛び回った。

「なんと…!」

兵士共々、王が驚きの声をあげる。

「これによって一時的に洪水はなくなりました。しかし…」

ランブーが言いよどむ

「まだ何かあるのか?」

「精霊だけでは雨まで操ることは出来ません。
諸悪の根元は、この城の地下にあり」

しばらくの沈黙。

ランブ―は、己の鼓動が速くなるのを感じた。

「…気付いておったか」

王が、諦めたかのように溜息をつき、3人に向き直った。

「…アレはもう、儂の手に負えん。頼まれてくれるか?」

「仰せのままに」

勝った!とでもいうようにランブーはこっそりとほくそ笑んだ。
 
 
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