硝子の騎士

□胎動
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『沙織お嬢様。』
…アテナは、その言葉に眠りの中から意識を浮上させた。
…自分を未だ、『沙織お嬢様』などと呼ぶ者は限られている…しかし、それはその中の誰にも当てはまらぬ声…。
『沙織お嬢様…アテナとなった今では、人間が貴方の馬になる必要も無いのでしょうか?』
その言葉に、アテナは顔を上げる。
「貴方は…!」
『…お久しぶりです。』
微笑み、その人物は
―手刀を振り下ろす。


朱が、床に散った。

其は、始まりの合図か。
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