硝子の騎士

□プロローグ‐夢の後先‐
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「…ねぇ、カナリア。」
「…いかがなさいました?王よ。」
…奇妙な、場所だった。
光に溢れ、穏やかな場所でありつつも、まるで命の息吹を感じない…。
そして、絶え間なく響く子守り歌。
「君は、この世界に、救う程の価値を感じる?」
…答えは、わかっている。
それでも、彼は穏やかな微笑みを浮かべながら語り書ける。
「…断じて、否。」
「だよね!…じゃぁ、リナリア。貴方は?」
無邪気な声を上げ、彼はさらに別の人間に語りかける
「…右に同じ!このような世界…断じて!」
「…リナ、落ち着け…。」
「カナ!ではお前は…」
「カナリア、リナリアをいじめてはいけないよー?」
穏やかな笑みは、聖母のごとき柔らかさ。
…しかし、瞳に宿るは暗い炎。
「じゃあ、なんで僕達の運命は、この道を選んだんだろうね?」
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