リクエスト

□非日常な日常
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「ちょっ…ハジメっ…ダメだって…」
猿門の細い首筋に顔を埋め舌を這わせてくるハジメ。
「誰かきたらっ…」
そう言ってハジメの肩を押し返すが、一向に止める気配はない。
それどころか、シャツのボタンをはずそうとしている。
「誰もこねえよ」
ボタンを外し、剥き出しにした首元にキツく吸い付いて。
「…っ…やめっ…」
ビクリと震える猿門の肩にも唇を落とした。
「ハジメ…」
流されつつある猿門の声にハジメは口角を上げる。



その時

「アンタ達、いい加減になさいっ」
バンッと壁を叩く音と、聞き覚えのあるその声。
「ここは皆の休憩室なのよ。そういうのは自分達の部屋でしなさいっ」
キンキンと耳をつんざくようなキジの声に、ハジメは顔を顰めた。
「ちっ…うっせえな」
渋々猿門の上から退き入口のキジを睨み付ける。
そんなハジメに動じる事なく口を開くキジ。
「だいたいアンタに毎回付き合わされる猿の事も考えなさい。猿も嫌ならもっと抵抗するっ」
なおも説教を続けるキジにハジメは既に知らん顔だ。

乱れた服を直すことも出来ないまま、真っ赤な顔でキジの話を聞かされる猿門だった。
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