リクエスト
□優しい人
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ふわりと香る香水の匂い。
キジ愛用のその香りは猿門の好きな物のひとつだ。
休憩室にキジと二人。
キジの肩に手を置いて形のいい唇にキスをおとす猿門。
触れるだけのキスを繰り返す猿門に、キジは優しく微笑む。
「今日はやけに積極的なのね」
そう言ってその細い腰を引き寄せ腕の中に抱き込んだ。
猿門がご機嫌な理由、それは……
「なあ、本当にいいのか?」
「勿論よ。さっきも言ったでしょ?」
明日が休みの二人。
なので初めてキジの家に泊まりにくることになった猿門。
よっぽど楽しみなのか、さっきから何度も確認してくる。
キジはそんな猿門を可愛いと思い、口元を綻ばせるのだった。
そろそろ休憩時間も終わる頃。
「じゃあ仕事終わったらすぐ行くからなっ」
「はいはい、待ってるわ」
キジの言葉に猿門は嬉しそうに仕事に戻って行った。