リクエスト

□乱れる
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「お猿ちゃんげんき〜?」
休憩室で仕事をしていた猿門の前に突然三鶴が現れた。
「あ?何かようか?」
「あのね看守長がアップルティーくれたんだけど、お猿ちゃんにお裾分け。お猿ちゃん好きだって聞いたから」
グラスに注がれた液体。
「ふーん、ありがとな」
看守長からと聞いて警戒心なく受けとりソレに口をつける猿門は、目の前の三鶴に今まで何度となく騙されたことを全く学習していない。


ゴクゴクと冷たい紅茶を半分ほど飲んだ所で休憩室のドアが開いた。
「あら、ハジメじゃん」
三鶴のその言葉に視線をやると、少しばかり機嫌の悪そうなハジメが部屋に入ってきた。
激務でまたストレスがたまっているのだろうか
「なにしてんだお前ら」
「ん〜お猿ちゃんと遊んでたんだよ」
面倒臭いやつがいると顔に出しながら問いかけるハジメに、三鶴はいつも通りのテンションで近付く。
「遊んでねえよ、俺さっきまで仕事してたし」
猿門は三鶴の言葉に反論しつつグラスを置くとソファーの上に深く座り直した。


そこで三鶴が何やらハジメに耳打ちをする。
何を聞いたのか一度猿門を見やり呆れたようにため息をついた。
「なんだよっ?なんか言いたいなら言えばいいだろっ」
ハジメのそんな態度に噛みつき睨みつける猿門。
三鶴はなにが楽しいのか笑っている。
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