小説

□お風呂
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「お猿ちゃん、一緒にお風呂入ろうよ」
俺の部屋に泊まりに来ていた三鶴が言い出した言葉。
初めは拒否していたがああだこうだと言いくるめられ、気がつけば仲良く風呂に入っている。


なんで三鶴と一緒に風呂なんか入ってるんだろう?
確かに誰かに頭を洗って貰うのは気持ちいいとは思う。
「かゆい所はありませんかー」
なんて言いながら上機嫌に俺の頭を洗う三鶴。
「ほら、流すから目つむって」
おとなしく目を閉じると頭上から勢いよくシャワーのお湯が降ってきた。


「次は体洗ってあげる」
「結構です」
頭を洗った三鶴が今度はボディソープを手のひらで泡立てている。
はっきり言って嫌な予感しかしない。

何故手のひらで泡立てる?
タオルは?スポンジは!?
「うん、お猿ちゃんの返事は聞いてないから」
立ち上がろうとした俺の腰を掴み自身の膝に座らせる三鶴。
「離せっ俺はもう出るっ」
がっしりと捕んでる腕は簡単に離れてくれない。
泡塗れの手が肌を滑るのに、身体が勝手に反応を始めてしまう。

そして今日も好き勝手に啼かされるのだ。


どうしてこうも簡単に翻弄されてしまうのか?
結局は惚れた弱みでしかない。
そんな二人の恋愛関係。



end
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