リクエスト

□乱れる
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「バカ猿」
「バカって言うなっ」
苛立った様子で近寄ってくるハジメに内心でビクつきながらも、言い返す口は止まらない。
だいたい何故ハジメが怒っているのか分からないのだ。


「俺ちゃんどうしようか?」
ひとり取り残された三鶴がワザとらしく頭を傾ける。
「好きにしろ」
「だったら、俺ちゃんも一緒に混ざっていい?お猿ちゃんのエッチなとこ見たいし」
「はあ!?」
三鶴の言葉に猿門は素っ頓狂な声をあげる。
ハジメは一瞬眉を顰めた後、
「……今回だけだからな、その代わり今後一切このバカに変なもん盛るな」
「オッケーオッケー」
軽い感じで返事をしている三鶴と目の前に立つハジメを怪訝な顔で交互に見やる猿門。

「なに言って…っ…えっ?」

ドクンッ
突然感じた覚えのある熱に、まさかとハジメに視線をやれば舌打ちと共に「だからお前はバカなんだ」と呟かれた。


「一体何回騙されたら学習するんだ?」
「だって看守長がくれたって…」
「看守長がくれた俺ちゃん特製アップルティだよん」
猿門の言葉を面白そうに言い直す三鶴に軽く殺意を覚えたが、お説教中の今下手なことを言えば余計にハジメの機嫌を損ねてしまう。
「だいたいお前は危機管理能力が足りなすぎだ、この前だって…」
そこから延々と続くハジメのお説教。
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