小説2

□酒は飲んでも…
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俺と一角の関係と言えば、同僚、飲み友達、そしてセフレから恋人に。お付き合いはとりあえず順調だ。

今だってこうしてふたりで飲んでいる。
ていうか前から思ってたんだけどさ、一角ってエロいよね?うん、エロい。
酒のせいでほんのり赤くなった頬とか、着てる(羽織ってる)意味なんてなさそうな布とか。そこから時々見える乳首とか…。
「こじろぉ?」
上目遣いの潤んだ赤い瞳とか。全部が煽情的でたまんない。
「きいてんのかよぉ」
オマケに酔ったら甘えたになるとかなんなの?俺死ぬの??
「こじろぉっ」
「!?」
俺の名前を連呼しながらグイグイと着物の袖を引っ張っていた一角。
そんな一角の可愛さにひたすら悶えてた俺に焦れたんだろう。いきなり膝の上に乗りあげてきた。

「さっきからなにしてんだよ?」
いつもは少し下にある目線が今は同じ位置になり、長い睫毛に縁取られた綺麗な赤い瞳は拗ねたようにこっちを見ている。
その顔は可愛い。可愛いんだけど…

「ちょっ、なにしてんの!?降りてっ…!?」
さっきより近くなった距離に思いっきり慌てる俺。正直格好悪いが今は勘弁して欲しい。


「やぁだよ。なあ、ヤろうぜ?」
「あーもう…」
ほらな、こう来ると思ってたよ。コイツが酔うといつだってこうなるから嫌なんだ。
酔い=性欲なのか、一角は飲むとしたくなるみたいだ。
勿論誘われるのは嬉しいけど、酔っ払った状態のコイツの相手は面倒臭い。
やっぱりやめる、なんてことは数えられないくらいある。散々煽っておいてそれは無いと思うし、時には途中で寝てしまったりも…。
何を見たのか聞いたのか、俺の事を縛って、ついでにナニも縛って焦らしプレイを始めた日は流石に泣いた。
それを次の日にはさっぱりスッキリ忘れてやがるからタチが悪い。
まあソレに関しては次の日にしっかりやり返したけども…。


だからあまり酔ってる一角とはしたくないのだ。とは言っても、致す時は大体二人きりになる夜なので、高確率で酔っている。
なんだこの悪循環。
「おら、ヤンぞ♡」
ニヤニヤ笑いながら、やっぱり服として機能していない例の布を解いていく一角。
はらはらと床に落ちていく布の行方をぼんやり見守った後、諦めに近い気分で未だ膝の上の彼に視線を向けた。
「わかったよ…それで今日はどうしたいんだ?」

一頻り好きにさせたら満足するだろう。そう思ってこちらもヤル気を見せた時だった。

「お前マグロな」
「は?」
「だーかーらー、全部俺がするから、お前はなにもすんなって。そういうことだから寝転べ!」
そう言って一角は俺の肩を押さえ、言葉通りに床に押し倒す。

まぐろ…なにもすんなって、うん。そういうプレイか。正直なんとも言えないけど、まあまあ楽しめそうかな。
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