Dr. STONE

□飛行機墜落。
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中国 蘭祥(ランシャン) 上空






雷雲の中を飛ぶ飛行機。

レオンは機内から空を眺める。

「中国の空域に入ったそうよ」

レオンのもとにやってくるヘレナ。

「そうか」

レオンの斜め前の向かい合う席に座るヘレナ。

「どうした?」

ヘレナに尋ねるレオン。

「なぜ私を当局へ差し出さなかったの?あなたの無実を証明できたのに…」

逆にレオンに尋ね返すヘレナ。

「君ひとりを悪者にして解決する事件じゃない」

レオンの言葉に首を横に振るヘレナ。

「それに…」

言葉を続けるレオン。

「女に振り回されるのには慣れてる」

ヘレナはレオンの言葉に思わず苦笑する。

会話が途切れるのを見計らったかのように揺れる飛行機。

機内が慌ただしくなってくる。

二人は不穏な空気を感じとって コクピットの様子を確認しにいった。

「ヘレナ…」

操縦席にサナギを見つけてヘレナを呼ぶレオン。孵化し始めるサナギ。

そして 大きく揺れる機内。

「操縦を任せる訳にはいかないようだな」

レオンは サナギから孵化したレポティッツァを見て呟く。

「ハニガン トラブル発生だ。パイロットが変異した 教会で見たガス野郎と同じだ」

続けざまに レオンはハニガンに報告する。

「なんてこと…!すぐに対策を練るわ。着陸まで時間がない…!」

事態を重く見て 対策を練りはじめるハニガン。

二人は銃撃を続ける。やがてレポティッツァは 天井の壁を破壊して天井裏に逃げ出す。

「くそっ!」

レポティッツァを取り逃し 悔しがるレオン。

直後 飛行機のどこかに異常が発生したのか操縦室に警報が鳴り響く。コクピットにある飛行機の全体図が 異常のある部分を赤く点滅させる。

「レオン ヘレナ!聞こえる!?圧力隔壁に原因不明の異常!後部へ行って状況を確認して!」

二人はハニガンに促されて後部へと急ぐ。

「りさ 千空。寝ているとこ悪いが緊急事態発生だ」

通りすがりに りさと千空を起こすレオン。揺れる機内の中で乗客が騒然としている。

「落ち着いて!うかつに動いちゃダメよ!」

乗客に言葉をかけながら移動するヘレナ。

『何があったの…?』

「協会で見た奴が 再登場さ」

「安らぐ時もねぇじゃねぇか」

真っ青になる千空。

「そのうち慣れる」

「慣れたくもねぇ」

飛行機の突然の揺れによろめきながらも 四人は後部に進む。異常の原因と思しき問題の場所を塞ぐと 警報が止まった。

「これで 解決かしら…?」

一抹の不安が残っているかのようなヘレナの口ぶり。ヘレナの不安は的中。レポティッツァが姿を現す。

レポティッツァは トールオークスの協会で人々をゾンビに変えたときと同じようにガスを噴き出す。

「クソッ!あのときと同じガスだ!」

「早くガスを外へ…!ハッチを開けるわよ!」

レオンとヘレナは ハッチを開け ガスの充満を防ぐ。

すさまじい風が吹き荒れ ハッチから飛行機の外へと吸いだされて地上に落ちていくレポティッツァ。一緒に落ちかけていたレオンとヘレナは なんとかこらえハッチを閉める。

「高度が下がってる!コクピットに急いで!」

「急げ りさ 千空 ヘレナ!」

四人は ハニガンの催促でコクピットに向かう。その途中 乗客がゾンビになっているのを目撃する。

「間に合わなかった…最悪…!」

乗客のゾンビ化を防げなかったことを悔やむヘレナ。
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