Dr. STONE

□最大の敵。
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先行して進んでいたレオンの後ろから聞こえてくる悲鳴。レオンが振り返ると デボラが悲鳴を上げていた ヘレナの上からずり落ちるデボラ。

「デボラ 耐えて。もう少しで助かるのよ。デボラ しっかりして」

必死に勇気づけるヘレナ。その声は同じく洞窟内を進むエイダにも届いた。

レオンたちを見つけたエイダ。彼らを観察する。

苦しみはじめるデボラ。彼女を励ますヘレナ。突然 デボラが発火。炎に包まれるデボラの肌。

「(人体発火か…?)」

レオンたちから離れた場所でクロスボウを構えるエイダ。レオンはデボラに近づこうとするヘレナを必死に止める。

「こんなのダメよ!デボラ!」

ヘレナの目の前でサナギ化するデボラ。
レオンの腕を振りほどき デボラの前で崩れ落ちるヘレナ。

「ダメ…こんなの嘘よ…」

サナギ化したデボラを触りながら嘆くヘレナ。その時 サナギが孵化。

ハンドガンを構えるレオン。粘液を身体中から滴らせるデボラがサナギから出現。目の前のヘレナに手を伸ばす。

ヘレナもおそるおそる手を伸ばそうとした。その瞬間 クロスボウの矢を放つエイダ。

額を貫かれ後方に吹き飛ばされるデボラに ヘレナが動揺しながらも近づく。

ハンドガンを構えて後ろを振り返るレオン。

「エイダ!?」

目を見開くレオン。レオンの声に気づいてヘレナやりさに千空も振り返る。

「まるで バケモノでも見るようね」

驚くレオンに言葉を返して ヘレナを見つめるエイダ。ハンドガンを構えて仇を睨むような形相のヘレナ。

じっとエイダの出方を伺うレオン。しばらくしてヘレナの構えるハンドガンに手を置き 下ろすように目で訴える。途端 ヘレナは泣き崩れた。

「エイダ どういうことなんだ…?」

ヘレナの代わりに問いかけるレオン。

「いろいろと複雑なの」

それだけ答えるエイダ。細かく説明するつもりはない様子。突然 洞窟全体がまるで崩れるように揺れた。レオンとヘレナ りさと千空がここにくる道中渡った吊り橋が軋みを上げる。

「どうする?まだ話を続ける?」

レオンとヘレナに問いかけるエイダ。二人は周囲を見回す。

「長くはもちそうにないわね…とりあえず下へ逃げましょうか」

レオンに提案するエイダ。ヘレナは倒れたデボラを抱え上げる。

「デボラ ごめんなさい…全部私のせいよ…」

抱擁して謝罪するヘレナ。その声に呼応するようにデボラが目覚める。

「離れろ ヘレナ!」

デボラの背中から出現した触手に気づいて大声を上げるレオン。

「待って!撃たないで!お願い!」

庇うようにデボラの前に出るヘレナ。しかし デボラによって突き飛ばされる。ヘレナを助けるべく デボラを攻撃するレオンとエイダ。

二人の攻撃によって 体勢を崩すデボラ。その拍子にデボラの触手が柱を破壊。それをきっかけに足場が崩壊して落下。

五人はなんとか助かったものの レオンとエイダは、りさと千空とヘレナと分断されてしまう。

「デボラ!?どこに行ったの!」

『ちょっと待って』

名前を叫びながらデボラを探すヘレナ。

「100億%見つかるが 危機的状況に変わりねぇ
じゃねぇか」

『うん』

レオンはエイダと共に りさ達のもとに向かう。

「レオン」

協力して進んでいると突然 レオンを呼ぶエイダ。おもむろにレオンに何かを渡す。

「指輪…?」

「勘違いしないでね 意味なら後でわかるわ」

レオンに渡したのは 彼女が墓地の地下で手に入れたシモンズ家の紋章の指輪。

「…そうかい」

そんなエイダに投げやりに返事をするレオン。ロープに飛び移るエイダ。そこに上からデボラが飛び降りてくる。

「気をつけろよ 4人とも!並の力じゃない!」

「あなたの方こそね」

合流した千空たちとエイダに警告するレオン。素早い動きに気をつけながら デボラを迎撃する三人。

「うぉわ!」

りさと千空は たびたび飛んでくるデボラ本体と触手を避ける。

「デボラ!」

もがき苦しむデボラに近づくヘレナ。ヘレナを跳ね退けてデボラは 再び背中から触手を出す。
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