HUNTER×HUNTER

□400年前のジャヤ。
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『ハァ…(何?また私 知らないとこにいる…)』

高い木の上で 息を潜め 身を隠す少女。

「あの すばしっこい娘…!!!また 消えた!??」

「より若く より美しい娘の血ならカシ神様も 満足されるはず!!」

りさは何故か 見知らぬ地で 見知らぬ男達に 追われていた。

『(熱い……どうしよう 念が使えない!!)』

高熱がある りさの体調は すこぶる悪い。

「諦めろ 小娘」

『!』

「この地に足を踏み入れたのが運の尽きだ!!」

【ドサッ】

『うっ…(気配も消せない――――――…)』

カルガラに木の上から落とされ 気を失った りさ。

【ザッ…ザッ…】

「…………」

りさの前まで歩いて来た カルガラは少女を見下ろす。

「この娘も ムースと共に 生け贄に捧げる」

準備しろ…と カルガラは 仲間達に 命じて その場を去った。

「………可哀想だな この娘…こんなに早く 逝くなんて 死ぬ為に 生まれてきたみてェじゃねェか」

「バカ 遅かれ早かれ 生まれた瞬間から 死に向かって 生きてんだよ 誰もが!! 村の為の 名誉ある死なんだ 幸せな事だろ」

「こんな器量良しな娘…逃す手は ねェだろ」

りさは 拘束された後 抱えられていった。






【ドンドットット♪】

【ドンドットット♪】

「娘達を 祭壇へ」

『………』

太鼓の音が響き りさは 意識を取り戻す。

「寝たままなら 恐怖もなく 逝けたのに 起きちゃったのね」

『ここ 何…!?何する気!?放してよ!!』

「ダメよ。怖いなら 目を瞑るの…。きっと すぐに終わるわ」

『何言ってるの!? 冗談じゃない――――――…』

「私達は 生け贄なのよ。逃げられないわ」

『Σ生け贄!?? やだよ!!放して!!』

ムースは 祭壇にあった台に 縛りつけられ 仰向けに拘束された。

りさは 台の前に 放置。

「この娘達の血と引きかえに…村を お救い下さい」

「来た」

「神が おいでに!!」

「カシ神様だ……!!」

【ドンドットット♪】

祭壇の前に 姿を見せたのは 巨大な蛇。

「神…」

村人は 恐怖して 後退りする。

【ザバッ】

『Σうわっ!!?? でっかい蛇!!!』

「見ちゃ ダメ!!!目を閉じて!!!」

「ムース!!!」

「諦めろ!!村の為だ!!!」

ムースの母親が 悲痛な声を上げる。

「カシ神様 なんて神々しい お姿だ カシ神様…………」

「どうか 母を……」

「どうか 息子を」

「……………」

「父を お助け下さい」

『(念が使えたら…!!!)私は…こんなとこで死ねないっ!!』

ギリッ…後ろ手に縛られた縄が手首に食い込む。

『誰か 助けて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!』

【ドンッ!!】

突然 現れた男が 蛇の首を 斬り落とした。

『!』

「カシ神様!!!」

「キャーーーーーーーーーーーーーー!!!」

「何て 事を!!!」

「神殺しだァア!!!!」

「あいつは 誰だ!!? 殺せ!!!」

「おれ達は 呪われるーーーーーーーーっ!!!」

村人達は 気が狂ったかのように騒ぎ出す。

「儀式は 終わりだ」

りさとムースを拘束する縄を斬って解放した。

「娘達を 殺せ!!!」

「侵入者もだ!!!」

「すぐに 血を捧げろ!!!」

「祭壇で 血を流せーーーーーーーーっ!!!」

「恐かったろうな…。君もよく 耐えた!!」

『………』

ぼーっと視界が霞む中 成り行きを見る りさ。

「もう 大丈夫!!! 死ぬ必要などない!!!」

「………………」

うわああああ 泣き崩れるムースを抱えて 力強く抱き締めるのは モンブラン・ノーランド。
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