Dr. STONE

□初めまして石神千空。
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「おい!誰もいないのか!?」

ガンショップの1階で叫ぶ警官。

「上だ!二階にいるぜ ガキ共!」

2階から飛んでくる声。

「俺たちも入れろ!ここを開けろよ!」

2階に続く扉を蹴り飛ばしながら叫ぶピーター。

「ダメだな!ヤツらが来やがった!片づくまでは入れられねぇな!」

ゾンビ退治を指示する店長。

「害虫駆除とは わけが違うんだぞ…」

2階からの身勝手な言葉に呆れるレオン。外からゾンビが続々と襲いかかってくる。

「いやあああ!助けて!ピーター!」

ゾンビに捕まり 助けを乞うピーターの恋人。

「つかまれ!…大丈夫か!」

ピーターの恋人を助ける警官。

「ヒーローのつもりかよ!?そんな役立たずに構ってんじゃねぇ!」

足でまといの恋人に怒鳴るピーター。

『酷い……』

「あなたの恋人でしょ!?よくもそんなことが
言えるわね!」

恋人をないがしろにするピーターを糾弾するヘレナ。

そのあとも ゾンビを倒し続ける生存者やレオンたち。

しかし ガンショップの外のゾンビは 減る様子を見せない。

「くそっ 弾が詰まりやがった…!」

弾詰まりを起こすピーターの銃。ピーターは苛立って銃を投げ捨てる。

「おい!お前の銃をよこせ!」

恋人の銃を無理やり奪い取るピーター。

「バカ同士で戦争ごっこやってろ!俺は降りるぜ!」

ここでゾンビと戦っていても らちが明かないと考えたピーター。

そう言い放ってガンショップの外へと去っていく。そんなピーターを追いかけるゾンビ。

「よるんじゃねぇ!よるなぁぁぁ!」

逃げながらゾンビの頭部へと銃弾を撃ち込むピーター。倒したゾンビに警戒しながら横を通りすぎようとした瞬間 立ち上がるゾンビ。

皮膚が破れ筋肉繊維を露出させたまま ピーターに襲いかかる。

「ピーター!いやぁ!」

ピーターが食われる様子をまざまざと見て悲鳴を上げるピーターの恋人。

ガンショップに進入してくる筋肉繊維を剥き出しにしたゾンビ ブラッドショット。

レオンはヘレナと二人がかりで銃撃し ブラッドショットを倒す。

「おい、やけに静かになったな。まだ息してるか?ガキ共」

2階から響く店長の声。

「まぁ 今のところはな…。店は大丈夫だ 入れてくれるか?」

店長の声に応じるレオン。すると窓のシャッターが閉まって2階の扉が開く。

「わかった…俺の気が変わる前に上がって来な」

2階からレオンたちを呼ぶ店長。急いで移動するレオンたち。2階には 店長と日本人の青年がいる。

「もう少しすりゃ ダチがバスで迎えに来てくれる。バスにさえ乗りゃ勝ったも同然よ。避難所の協会まで一直線だ」

自信満々に語る店長。その近くに座ってピーターの恋人がすすり泣く。

「それまでは地獄の耐久レースだぜ。バテた野郎は置いていくからな」

千空が うっと渋い顔をしていた。

『……大丈夫?』

「1oも大丈夫じゃねぇが 心配するこたぁねぇ」

『そう?今にも死にそうだけど』

「テメーの存在のおかげで 辛うじて正気を保ってるようなもんだ」

「日本人!シャッターは任せるぜ!」

「任しとけ!」

次々とゾンビを倒していくレオンたち。その間 配線をいじる日本人の青年。千空は興味深そうに手元を見ていた。配線が繋がり窓のシャッターが下りる。

「ここはもうダメだ!隣の部屋へ移るぞ早く来い!」

店長の指示で部屋を移すレオン達。最後に入った日本人の青年が扉を施錠する。

一息つく暇もなく部屋が揺れる。扉が破壊され そこから分厚い脂肪に覆われた巨漢のゾンビが現れた。その巨体ゆえ 歩くたびに部屋が揺れる。

「勘弁しろよ!床が抜けちまう!」

「なんだ、XLサイズまでいたのか」

「おとなしくしやがれ!クソデブ野郎が!」

「シャレになってないな…!ほんとに店が潰れるぞ」

狭い部屋で暴れる巨漢のゾンビに銃弾を放つレオンと店長。苦戦しながらも倒すことに成功した。

「こっちだ!急げ!」

屋上に続く扉を開けて進む店長。最後尾を務めるレオン。

屋上でバスを待つレオン達。しかし周囲のビルにはゾンビの姿がある。それに気づいて応戦しようとする店長。

だが その頭上から飛び降りてきたゾンビによって 店長はビルから落ちそうになってしまう。

「くそったれ!こいつは まずいな…!」

必死によじ登ろうとする店長。

「ゾンビは引き受ける。早く店長さんを助けてやれ」

そう言って迫ってくるゾンビを倒すレオンとヘレナ。他の生存者が店長に駆け寄る。

「店長さん!いま 引き上げるからな!」

「俺に構うな!テメェらまで死んじまうぞ!」

放っておけと訴える店長。そこへ 巨漢のゾンビ ウーパーも現れる。

「みんなで生きて ここを出るのよ!」

店長を勇気づけるピーターの恋人。一蓮托生の想いが芽生えていた。

店長を引き上げて全員で応戦しはじめた頃 ガンショップの近くへと到達するバス。

「バスが来たぞ!」

バスに気づいて叫ぶ日本人の青年。

「テメェら!バスが来たぜ!下の通りまで降りろ!」

非常口を開ける店長。

「非常口を開けたぜ!早く行け!」

非常口から下に降りてバスに乗る生存者たち。りさや千空レオンたちも続く。

「出してくれ!」

バスの運転手に発車を促すレオン。

「デブ野郎が邪魔で進めない!」

目の前にはバスを持ち上げ 前輪を浮き上がらせるウーパーがいた。

レオンたちがウーパーに対抗している間 周囲のゾンビを蹴散らす店長。

「こんちくしょう!放しやがれ バケモンが!」

ゾンビに引っ張られてバスから落とされる店長。

「くそ!くそ!親父!いま行くぞー!親父!」

『待って!』

「おいっ!」

大声を上げた日本人の青年は 店長を助けるべくバスを飛び降りた。それに続こうとした りさの腕を咄嗟に掴んだ千空。

「付き合えや 日本人!あの世で一杯おごってやるよ!」

助からないと悟り 覚悟を決める店長と日本人の青年。二人はゾンビと共に自爆。周囲のゾンビを吹き飛ばす。

「せっかく ここまで来たのに…!」

今まで戦ってきた戦友たちの死を嘆く警官。全員で銃撃を続けるとウーパーが体勢を崩す。

「今だ!行け!」

合図を出すレオン。それに呼応してバスが動き出し ウーパーを引き倒す。

レオンたちが乗り込んだバスは 一気に市街地を脱出した。
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