*物語*
□バレンタインデー
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俺には好きなひとがいる。
彼女はとてもいいこで、いつでも笑っていて、その笑顔が可愛くて。
いつの間にか目が彼女を追っていて、話していると楽しくて。
その内彼女が他の人と話しているのが気になってきて、何かおもしろくないって思う自分に気づいて。
あぁそっか、俺はしのちゃんが好きなんだって自覚した。
それからは坂を転げ落ちるような勢いでしのちゃんに夢中になった。
俺とは随分と年の差がある。
高校生の元気で明るくて、でも、どこかにまだ、あどけなさが残っていて。
そんな年の差までもが愛しく、自分がこんな感情をもっていることに驚きながらも、心地よさを感じていた。