短編

□心臓曲線
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「なー雅治」

「ん?なんじゃ?」

「これやってみねー?」

「なんじゃそれは…」

「プリント
数学の先生にもらったんだよ」

「なんで俺がせないけんのかがわからん」

「俺がやったからに決まってるだろ?
ほら早く!!」

「しゃーないのー、なになに?
nと2nを結ぶんか?」

「そうそう、やってみて!」

そういって俺は雅治に一枚のプリント渡した
そのプリントには円が書いてあって10℃毎にn=1からn=36までの数字が書いてある
その円のnと2nの間に線を引くととある曲線ができる

「圭介終わったナリ
なんじゃこのグラフは…尻みたいな模様じゃのー」

出来上がった曲線をまじまじと見て雅治は首をかしげる
その姿がかわいらしくて俺が笑うと雅治は少し不機嫌そうに笑うなとかみついてきた

「逆さにしてみ?なんかわかんね?」

「逆さま…?ゴルゴの頭か?」

「はははは!なるほど、見えなくもないな」

声を出して笑うと雅治はまた不機嫌そうに眉間にしわを寄せた

「見えたんじゃけ―仕方ないじゃろ!
いい加減何がしたいんか教えんしゃい!」

「それ、心臓曲線っていう曲線なんだ
お前がゴルゴの頭に見えた方、実はハートなんだよ
ちょっと面白かったから雅治にもやらせたかったんだ」

「…全然ハートって感じには見えん」

「数学なんてそんなもんだよ
ま、それは俺からのプレゼントだから、ありがたく受けっといてよ」

「は?どういう…」

「俺の心臓はお前のもんってこと
恥ずかしいから言わせんなよ
返事はいつでもいい、待ってる」

俺がそういって教室を出ると固まっていた雅治は気が付いたのか廊下に向かってなんだかんだ吠えると最後に

「俺もおまんに心臓やるにきまっとろう!!馬鹿たれ!」

と叫んで教室に入っていった



…とりあえずこの喜びを幸村に報告しに行こうと思った

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