NARUTO

□うずまきさんちのナルトくん 06
1ページ/2ページ

*sideサスケ
ある日の夕方。どこで仕入れてきたのか脳内に直接響く声で呼び出されたとき、何やら嫌な予感がした。
しかし渋々町外れの森に行くと件のウスラトンカチがにこにこ手を振っている姿が目に入った。

「なんの用だ。」
「へへ、サスケに一番に見せたくって。」

だから何を、と問う前にナルトの掌にひょこりと何かが現れた。
これは………

「………きつね?」
「そう!当たりだってばよ!」
「………お前さっきまで何も持ってなかったよな?」
「ん。」
「何処から現れたんだ?」
「オレのなか。」
「…………は?」

意味が分からない。
というか言葉が通じていない気がする。

『馬鹿者。それで理解できるヤツなど居らんわ。』

だよな。
おかしいのは俺じゃなくてこの幼馴染みだよな。
よかった、俺は一人じゃない。
そこまで安心して、ふと気づく。

「………あれ?」

今誰が喋ったんだ?
ここには俺とナルトしかいないのに。
きょろきょろ辺りを見回して見るが人影は見当たらない。

『何処を見ている貴様。ここじゃ、ここ。』
ソコを見ても人はいない。
ナルトの掌から現れたものがあるばかりだ。
ということは、声の主は、

「………きつね?」
「ん。母ちゃんの中に入ってた九尾の妖孤!クラマってんだ!」
「………………」
「明日キバに自慢してやるんだってばよ!」
「………………………………」

返す言葉はとうにない。
ただナルトをこうさせた事件とも呼べない出来事だけは容易に見当がついた。










次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ