REBORN
□アクマで
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中学の時にやってきた家庭教師を名乗る漆黒の死神に面倒事に巻き込まれ揉まれに揉まれてはや数年、本人は全く望んでもいないのに切磋琢磨されてなるほど、泥だんごも磨けば光るとはきっとこの事なのだろう。
今や、業界のものなら誰でも恐れる天下の大ボンゴレを束ねる笑顔の魔王、沢田綱吉とは俺のことです。
なんて、そんな出来事もありました。
いや、これからあるといったほうがよいのやら。
昔から幻術使いと戦ったりどこぞのマフィアの後継者争いに巻き込まれたり未来に行ったり死んだはずのご先祖様が指輪から現れたりと異常というかなんというかの経験はそこらの人よりはちょっとばかり多いけど、まさかまさか、なんの前触れもなく、――もしかしたら俺がその“前触れ”とやらに気付かなかっただけかもしれんが――それにしたって、目が覚めたら中一に戻ってました。なあんて、誰が想定出来ようか。
まあ、実際はおそらくパラレルワールドの中一の俺がなにを思ったか幽体離脱をしていて代打として俺がこの身体に入っている…といったところだとおもうのだが、定かではない。
だってこんなこと初めてなんだもん。
つーか出来ることなら一生経験したくなかったな。
しかも、この世界の俺と来たら、ラテン語やらヒエログリフやらの本を愛読し英語でかかれた学術本にまで手を出していることは本棚の奥に隠れた本棚に置いてあるものからも推察できるのだけど、どういうわけか学校でその能力を発揮するつもりはないらしく―――
「見えた!」
「わ、26点!」
「やっぱ、ダメツナか…」
――酷いものである。
因みに、現在俺は理科のテストを根津さんに返してもらったところで、「あくまで仮定の話だが……(略)」とお小言も賜り、生きている意味を尋ねられ、ピラリと情けないテストの点がクラスメイトたちに見られてしまったところ。
別に今更何十年前に習った理科でいい点を弾き出せるとは思っていないけど、それにしたって……スイマセーン!これ俺がやったんじゃありませーん!マジ勘弁してー
あー、だいたいこっちの俺もさ、別にこんな頭抜けて酷い点数とらなくてもいいじゃない。なんだよまったく。少なくとも本当に俺が中一だった頃は本気でやってあの点数だったんだぞ!?
………………………………むなしい。
ガラッ
突然、教室のうしろの戸が開いた。
ま、言わずと知れた獄寺くんだ。
「コラ!遅刻だぞ!!今頃登校してくるとはどういうつもりだ!!」
と、根津さんが頑張って吠えるが、
「あ゛あ!?」
あえなく獄寺に睨まれて退散。
しょうがないよ、怖いもん。
なんて、他人事もここまで。
「おはよーございます!十代目!!」
「……おはよ」
深々と俺に頭を下げて朝のあいさつを俺にする彼の瞳には尊敬の色が見てとれる。
獄寺くんってば、俺にだけは腰が低いんだよな。
他に対してはかなりアレなのに。
「なっ」
「どーなってんだ!?」
「いつの間に友達に?」
「いや…きっとツナが獄寺の舎弟になったんだよ」
好き勝手に言ってくれちゃってるクラスメイトはこの際無視しよう。
そう一人ごちて溜め息をついたかつかないか、根津さんがにやりと余裕なく笑んだ。
「あくまで仮定の話だが平気で遅れてくる生徒がいるとしよう。そいつは間違いなく落ちこぼれのクズとつるんでいる。何故なら類は友を呼ぶからな。」
なんか酷いこと言われてね?
そう思ったとき、目の前の獄寺くんから何やら黒いオーラが……あり、やば
「おっさん。よく覚えとけ。」
ずずい、と根津さんに近寄ると胸元を掴み上げ
「十代目沢田さんへの侮辱は許さねえ!!!」
高らかに宣言した。
あああ、根津さんが泡吹いてる。
俺のことはどうでもいいから離してあげて!
いやいや、落とさなくていいっ!!
落とさなくていいからっ!!!
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