恋は盲目

□弐
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お父さん、お母さん、私が万事屋の一員になって一カ月ほど経ちました。
仕事もないし、お金もないけど毎日楽しいです。
だから何も心配しないでね。


麻薬だめ、絶対。


今日は珍しく仕事の日。
さっき依頼者の家に行き、依頼を聞いた。
なんか娘が一週間帰ってこないとかなんとか。
年頃の娘なんてそんなもんだよ!・・・なんだかめんどくさ・・・いや、大変そうな仕事だなぁ。
まぁ、やるしかないよね。







「あー?知らねーよこんな女。名前とかは?

「えーと、ハ・・・ハム子・・・」

「明らかに今つけたろ!!」

「神楽違うよ!ハム美だよ」

「それも嘘だろ!!」

「「忘れたけどなんかそんなん」」

「オイ・・・・・!!ホントに捜す気あんのかァ!?」


今私たちはハム子?ハム美?がよく来ていたというクラブにいる。
写真片手に神楽と捜してるんだけど・・・人探しって思った以上に難しいな。
こんなインパクトのある顔なかなか忘れないと思うんだけどなぁ。


「姫歌〜新八〜」

「神楽?もしかして見つけた?」

「もうめんどくさいからこれでごまかすことにしたヨ」


神楽は太った男(通称ハム男)を連れてきた。


「どいつもこいつも仕事をなんだと思ってんだチキショー」


新八はそろそろストレスが溜まったみたいだ。
イライラした時は甘いものが一番だよ、うん。
ってか2人が若干言い争ってるけど・・・反抗期?←


ドサッ


「え!?」

「ハム男ォォォォ!!」


音のした方を見るとハム男が倒れていた。
よく見るとハム男は焦点の合わない目で「エヘヘ」と言っていた。
この感じもしかして・・・・・麻薬?
そのとき店長さんが来てあとはやっとくからいいと言っていた。


「ったくしょーがねーな、どいつもこいつもシャブシャブシャブシャブ」

「「シャブ?」」


シャブというのは"最近出回ってる新種の麻薬で、なんかそうとうヤバイやつ"らしい。
もしかしてハム美・・・じゃなかった、ハム子か?
どっちでもいいけどハム子もそれに関わってるのかも・・・。
それにしても・・・・


「「銀さん遅い(な)(ね)」」

「どうも嫌なカンジがするんだこの店・・・・・早く出た方がいいよ」

「私捜してくるヨ」


神楽が立ち上がろうとしたとき神楽に銃が突き付けられた。


「「「!?」」」

「てめーらか、コソコソ嗅ぎ回ってる奴らってのは」

「な・・・なんなんだよアンタら!」

「とぼけんじゃねーよ。最近ずーっと俺達のこと嗅ぎ回ってたじゃねーか、ん?」

「そんなに知りたきゃ教えてやるよ、宇宙海賊"春雨"の恐ろしさをな!」


そう言って"春雨"とかいう奴らは神楽に麻薬を嗅がせた。


「「神楽(ちゃん)!!」」

「次はお前だ」

「!?」


気付けば私の手は押さえられていて逃げることができない。
新八の方を見ると新八も押さえつけられていて逃げ出せずにいた。


「姫歌ちゃん!!」


新八の声が聞こえてすぐ何も聞こえなくなった。
視界も真っ白だ。
それにしても私はなんて無力なんだろう。
両親も仲間も誰も助けることができないなんて。
もっと・・・・・もっと強くなりたい。
大切な人を守れるくらい。







なんだが周りが騒がしい。


バシャッ


なにかが当たった感じがした・・・これは・・・水?
目を開けると知らない人がたくさんいた。
そして遠くには今にも海に落とされそうな人がいる。
あれは・・・・・・・・・・!?


「神楽!?」

「神楽ちゃん!!」


隣にいた新八も神楽に気付いたみたい。


「オイお前ら、男の方はいいけど女の方は手荒に扱うなよ」

「すいません!!」

「とにかく、お前らの巣を教えろ。意地張るってんならコイツ、死ぬぞ」

「何の話だよ!!」

「とぼけんな、てめーが攘夷志士だってのはわかってる」

「はっ!?」

「てめーらのアジト教えろって言ってんだよ!!桂の野郎はどこにいんだ!!」


"春雨"の一人が新八の髪を掴んでアジトなどを吐かせようとする。


「新八!!・・・・・もうやめてよ・・・・・私たちは攘夷志士なんかじゃないし、桂とかいう人の居場所も知らない!!
 だからもう新八と神楽を話して!!」

「そうだ!神楽ちゃんと姫歌ちゃんを離せ!」

「残念だがそいつは無理な相談だ。そっちの女は高値で売り飛ばす予定だからなぁ」

「そんなことはさせない!・・・・・ここは侍の国だぞ!!お前らなんて出てけ!!」

「侍だぁ?そんなもんもうこの国にゃいねっ・・・」


そのとき神楽がニカッっと笑って"春雨"のリーダーらしき人をおもいっきり蹴り飛ばした。
その拍子に神楽は海に落ちていく。


「神楽!!」

「神楽ちゃ・・・・・!!」

「足手まといになるのは御免ヨ、バイバイ」


またいなくなるの?
私の目の前で大切な人を失くしてしまうの?
そんなの・・・・・嫌だ!!


待てェェェ!!

「!?」

待て待て待て待て待て待て待てェェェ!!・・・・・ふんがっ!!」


そこに現れたのは
銀さんだった。


「「銀さん!!」」


銀さんは"春雨"のリーダーらしき人の前に立つ。
そして剣を抜く。


「俺のこの剣、こいつが届く範囲は俺の国だ。
 無粋に入ってきて俺のモンに触れる奴ァ将軍だろーが宇宙海賊だろーが隕石だろーがブッた斬る!!」









「アーダメっスね、ホントフラフラして歩けない」

「頭クラクラするー」

「日ぃ浴びすぎてクラクラするヨ、おんぶ」

「しょうがねぇなー、よいしょっと」

「え!?」


神楽をおんぶするのかと思ったら急におんぶされてびっくりする。


「姫歌ちゃんだけですか!?」

「お前らは頑丈だろ!」

「そんなことないネ!か弱き乙女アル!!」

「あー・・・もー!!上等だ!おんぶでもなんでもしたらァ」


銀さんがそう言った途端、2人が全力で走って銀さんに飛び乗る。


「元気爆発じゃねーかおめーら!!」

「銀ちゃん、私ラーメン食べたくなってきたヨ」

「あ、私も!」

「僕、寿司でいいですよ」

「バカヤロー、誕生日以外にそんなもん食えると思うなよ!!
 ・・・たくよ〜、重てーなチクショッ」


ぶつぶつ言いながらも三人共背負ってくれる銀さん。
その背中は温かくてすごく安心した。



(やっぱり私は強くなりたい)
(大切な人を守れるくらい)
(強く・・・・・)






〜あとがき〜

ヒロインちゃんはとにかくみんなに愛されてます。
特に銀さんは溺愛してるかも(笑)
次のお話から笑えるくらい愛されます←
逆ハーレム万歳ですね\(^0^)/黙

感想や誤字・脱字があれば気軽にBBSまでお願いします(^ω^)つ!


:)/黒宮 黎

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