BLEACH夢(long)

□君を守る一閃6
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BLEACH長編

「そういえば、彩萌ちゃんは何か部活に入らないの?」

 織姫に言われた瞬間、そういえば入っていなかった、と思い出した。私、今の今まで帰宅部だったわけだ。

『そうやなぁ…、やっと学校にも慣れてきたことやし、何か入ろうかな?』
「…陸上部に来ないか?彩萌にはぜひ、マネージャーをしてほしい。」
「手芸部おいでよー!たっくさんうさうさ作れて、楽しいよっ!」
『う、うさうさ…?』
「あー、ごめん、織姫流のウサギって言いたいの。空手部のマネージャーなんてどう?」

 う、ちょ、ちょっと待って…。とりあえず、考える時間をちょうだい(苦笑)

『う、うん、色々考えときます!』
「部活より…、私と一緒にあなたと愛を育む時間を作るっていうのは…」
「はい千鶴、あんたの案は却下!」
「な、何であんたが却下するのよっ!」
『ご、ごめん、千鶴ちゃん。それだけは…、』
「ほら、彩萌もこう言ってるわけだから。」
「…いつか、貴女を私のモノに…!」
「あんたのものにされるまえに、あたしが守るっての。」

 うん、千鶴ちゃん。ごめん…、最近、君という存在が怖くて仕方ないよ;友達をやめるつもりはないけどさ;しかし…。

(本当、部活どうしようかな…。手芸部、か…。いいかもしれんな。)

 もとから、手芸や細かい作業は大好きだ。それに、小学校の時は手芸部に入っていた。ずっと、フェルトや布、毛糸を相手に色々と作り出したものだ。まぁ、とりあえず入部届けもなしに考えることでもない。ということで、私は職員室へ行くことに。

『失礼します。美諭先生!』
「あれ、鈴原。どうしたの?」
『部活、入ろうかなと思って、入部届けをもらえないかと…。』
「あぁ、入部届けねー。はい、ここに必要事項書いて、担当の先生に出してくれる?」
『あ、わかりました!ありがとうございます。』
「どういたしましてー。部活、頑張るんだよ!」

 美諭先生、本当気さくな先生でいいよなぁ。さてと、入部届けもらったことだし、どの部活に入るか決めようか。…4限目の授業中に。
 放課後、結局最後まで決まらず、入部届けの提出は明日に先延ばしにすることとした。文化部で、入りたい部活が多すぎて決められず…。こういう時、私って優柔不断になるんよねぇ。家に帰りながら、心の中でうなっていると、前方に一人の人間が。あの線の細い体で、色白の人間と言ったら…。

『雨竜君?』
「鈴原さん。偶然だね。」
『今日は、部活ない日なん?』
「そうだね。この曜日はいつも活動はしない日にしているんだ。」
『え、雨竜君が日程決めてんの?』
「僕は手芸部の部長だからね。部員が活動する曜日を決めるのも、僕の務めなんだ。」
『部長なんや!すごい!』
「たいしたことじゃない。」

 い、いや、たいしたことじゃない、とか言ってるけど、一年で部長任されるとか、相当すごいよ…?あ、そっか。ずっと前にウィキ○ディアで見た記憶が、今さら浮かんできた。まぁ、自然な反応ができたので良しとしよう!

『…手芸部、入ろうかな。』
「鈴原さんも、手芸するのかい?」
『うん、するよー。作るの好きやし、あ、これも私が作ったんよっ!』

 そういって、カバンについている細い毛糸で作られた犬のマスコットを見せる。雨竜君は、マスコットを手に取って、じーっとみている。

『慣れないうちに作ったやつやから、編み目荒かったりするけど…。』
「…本を見て作ったのかい?」
『そうやよ。色変えるの大変やったわ;』
「・・・・・・。」

 …ん?どうしたんや?雨竜君が、私のマスコット持ったまま、微動だにしません。

『雨竜君?雨竜くーん?』
「…!あ、いや、何でもない。」

 それだけ言うと、再び歩き始めた。

『動物だけじゃなくて、他にもいろいろあるんよ。ラズベリータルトとか、果物とか、魚とか、猫も作れるよ!』
「…いつでもいいんだけど、今度、その本を持ってきてくれないか。」
『あ、ちょっと興味あり?』
「最近は布ばっかり使っていたからね。たまには、毛糸もいいかと思ったんだ。」
『あ、じゃあさ、今日持っていくから、一緒に作らん?』
「Σえ!?」
『…あ、やっぱだめ?』

 やっぱり、唐突すぎたか;そりゃそうやね、材料ないもんね…。かぎ針は、私が2本持ってるけど、毛糸がいるもんなぁ…。

「…いっ、いや、特に、用事があるわけじゃない。…わかった、待っているよ。」
『あ、いいの?わかった、持っていくわ!毛糸はある?』
「探しておくよ。なかったら…、買い物にも付き合ってほしい。」
『わかった!じゃあ、早めに準備して雨竜君の部屋行くね。』
「…あぁ、待ってるよ。」

 い、いいのね?行くよ?まぁ、本人がいいならいいか。そのまま家に帰った私は、ご飯を食べて身支度をしてから、もろもろの準備を持って雨竜宅へ。

『うりゅーくーん。遊びましょー。』
「…何だい、その近所の子供みたいな挨拶は。」
『やってみた。お邪魔していい?』
「どうぞ。」

 二度目の雨竜宅。相変わらず、綺麗に片付けられている。というより…結構、生活感がないな。さすが、男の子の部屋。

『二回目やねぇ、お邪魔するの。』
「一回目は、君が怪我をしてたんだったね。」
『そうそう。あのときはお世話になりました。』
「大したことじゃない。怪我をしている人を放っておけるほど、酷い性格ではないつもりだよ。」
『そっか。で、毛糸はあった?』
「それが、なかったんだ。かぎ針はあったんだけど…。だから、買い物に付き合ってほしい。」
『ん、じゃあ行こうか!』

 ということで、私達は買い物へ行くことにした。
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