T

□nightmare―N
1ページ/1ページ

夢を見た。



「おはよ、翔ちゃん」



「…ん」



「今日遅かったね起きるの」



「…うん」



翔ちゃんが、離れていく夢。



「なに、変な夢でも見たの?」


俺と一緒だね。


「んふふっ、俺の夢?」


翔ちゃんは何も答えない。

ああそうなんだと思って、俺は抱きしめ返す。



この温もりを、ほかの人が知るくらいなら、
翔ちゃんを殺してしまいたい。


二度と誰も触れないよう、喋れないよう、

血まみれにさせて守りたい。


「翔ちゃん好きよ」

だからどこにも行かないで。

「俺も…愛してるよ」

ならどこにも行かないよね?


翔ちゃんは俺をみる。

そして、笑う。





ほかの人を見ないで。



俺だけを好きでいて。




そんな俺の願いは、翔ちゃんと混ざり合って溶けた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ