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□Promise
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「だって約束した」
「そうだけど…」
「約束破るの?」
「うっ…いや、その」
こうやって言い合っている間にも、時は刻々と進む。
翔は時計をチラリと見て、ため息をついた。
それを見て和は、
諦めたようにふいっとそっぽを向く。
「じゃあもういいから。
いってらっしゃい」
「いいって何だよ?」
「もういいの!!
別に、翔ちゃんなんかいなくたって、
子供じゃないんだし。
お仕事が急に入るなんて、
別に当たり前のことでしょ?
それに夜なんてすぐ終わるもん、大丈夫」
「じゃあなんでさっきまで、あんなに怒ってたんだよ?」
「もういいって言ってるじゃん」
「……わかった」
あんまりしつこく言っても逆効果だろう、と翔は思い、
玄関の扉を開けた。
「じゃあ…仕事行っちゃうよ?」