短編用書庫

□不思議な先輩と倉間くん
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倉間くんと不思議な先輩





嗚呼、憂鬱な雨模様の空







「畜生、お天気お姉さんの嘘つき」






学校の下駄箱で俺は上履きのまま足を止めそのまま曇空だった外を見上げた
その瞬間だった。



雨に濡れるコンクリート
そのまま雨足は増しバケツをひっくり返したような雨に変わり…。
慌てて走って帰る生徒の姿を横目に俺は大きな溜め息をついた





「君、傘はないのかい?」




低く唸るような声が俺の頭上から響いた




誰だこいつ、…
デカい







「傘は、ないのかい?」


「ねぇよ」


「言葉遣いのなってない後輩くんだな」


「はぁ?そもそもあんた誰。」


「まぁいい。この傘を使い給えよ」


「はぁ?ちょ、なに傘渡してんだよいらねぇよ!!」


「でも君がずぶ濡れになってしまうだろ?」


「だからあんたまず誰だって」


「遠慮をするな、好きに使い給えよじゃあ私はこれで失礼するよ」






一方的に傘渡して消えたその人

礼も言ってないし名前だって聞いてない
一体だれ、…






「うわ、…傘に名前書いてある」




変な先輩だった
 

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