進撃の巨人:小説*
□確実な未来が欲しくて。
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100年私たちを守り続けてきた壁。
それが超大型巨人によって壊された。
シガンシナ区に一人で住んでいた私は誰の心配をすることもなく必死で逃げた。
声を出す余裕もなく、ただただ走り続けた。
ガレキが飛んできて怪我を負った。
目の前で人が食べられるのを見た。
重い足を前に出し、ギリギリで船にのり、私は私の未来を守った。
他人が死ぬことに何も感じない訳ではない。
自分に余裕があれば助けていた。
その術があれば助けられた。
自分の無能さはやがて己をも殺す。
なんとか自分を守れる程度には強くならなくてはいけない。
今日なくなってしまった方々のためにも、
同じことが起きた日、
無駄に死んでしまわないように。