06/09の日記
15:59
赤ブン:振り向かせてやる!
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いつもいつも風船ガムを飽きることなく噛んでいるこの先輩。
先輩というよりは近所にいる兄ちゃんみたいだ。
なんでも弟が二人いるらしく、意外と面倒見がいい。幸村部長や真田副部長以外の三年生(主にあのハゲ)には横暴だったりするけど、後輩である俺にはあまりそういった態度を取らない。
「お、ガム切れてんじゃん。赤也、買ってこい」
「はぁ!?俺がッスか!?」
「お前以外に誰がいるんだよ?」
間違った、やっぱ後輩にも横暴。
長い長いトレーニングも終わって一息ついていた所をこの人に捕まった。
同じ勝ち組で同じ学校の先輩であるこの人は、さして気にも止めず俺を呼び止めてパシりに駆り出そうとしてる。鬼ッスよ、鬼。
勝ち組には幸村部長と柳生さんと俺と丸井先輩だけ。いつもパシりに出されるハ…ジャッカルさんや、たまに虐げられてる仁王さんはいない。だからこそ俺に白刃の矢が立った。
「グリーンアップル味な、シクヨロ♪」
「シクヨロ♪じゃないッス!!そんなもん自分で買ってきてくださいよ!」
「んだよ、ちゃんと小遣いだってやるぜー?」
そう言ってひらひらと10円玉をちらつかせる。
「アンタ舐めてんすか…10円で動く訳ないでしょ」
「じゃあ20円?」
「ぶっ潰す!!!」
「なんだい赤也、随分と騒がしいじゃないか」
流石にイラッときた俺はデビルモード寸前だったけど、ただならぬオーラを散らした幸村部長とあり得ないくらい薄いオーラを纏った柳生先輩が来たせいでひっこんじまった。
「ゆ、幸村部長…!」
「幸村くん!」
代わりに丸井先輩は目をキラキラ輝かせて幸村部長に話し掛け始めた。
前から思ってたけど、幸村部長にだけこんな態度。真田副部長の時とは全然違う、まるで飼い犬と飼い主のそれみたいだ。
二人の間に何があったか知らないッスけど、幸村部長だけ特別なんてカンに触るぜ。
「で?ブン太、どうしたの」
「赤也が俺のガム買いに行かないんだよ、こんっっっなに必死に頼んでるっつーのに」
ニヤリ、そんな笑みを浮かべて幸村部長の後ろに構える丸井先輩が鬼に見えた。
パシりを拒否って部長に怒られる部員なんて普通いねえけど、うちじゃあり得る。
まだ真田副部長だったらまともだったけど、幸村部長じゃ話になんねえ。こんなこと思ってるってバレたらバレたでまずいけど。
「駄目じゃないか、赤也。先輩の言うことは聞かなきゃ」
「だって幸村部長…!」
「ブン太、赤也はもういいから。それより部屋に美味しいお菓子があるんだ、来るかい?」
「えー!?行く!行く!」
「ふふ、おいで」
「…チッ」
「なに?」
「な…なんでもないッス…」
幸村部長、無視しやがった。
真顔でこっち見てたくせに無視しやがった。
畜生、何か腹立つ!すげえ腹立つ!
たかが菓子に釣られてヘラヘラしやがって、丸井先輩って菓子貰えるなら誰でもいいのかよ!
って、なんでこんなことで苛ついてんだ?俺。
よくわかんねえけどイライラする。
幸村部長と丸井先輩は肩を並べて何事か話してる。俺はすっかり蚊帳の外。
むしろ見えてないだろ?
楽しそうに話す丸井先輩の表情、俺にはあまり(つーか全然)見せない表情。
あからさまに態度を変えられたら無理矢理にでもこっちに向かせたくなる。
「…クソ、いつまでも後輩だと思って舐めやがって」
とりあえず、此処から一番近いコンビニって何処だよ。
沢山買い込んで、絶対振り向かせてやるからな!
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立海CPはニオブンが好きな私です。
赤ブンも可愛い!
実は立海CP、ニオブン以外はまだ書いたことなかったので新鮮でした。
赤也は受けでもいけるよ^^
ちなみに立海は仁王が一番好きです。
丸井くん好きでしょ〜て言われるんだけど仁王くんでした。
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