06/01の日記

23:59
忍岳:君の好きな所、僕の嫌いな所
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ここ最近の岳人はえらいスピードでパワーアップした。

もちろんテニス面にもおけるんやけど、それ以外でもそうや。
岳人は基本的にさっぱりしとる。
白黒はっきりしとるっちゅーか…物言う時もはっきりやろ。
一見わがままな奴やと勘違いされることもあるけどな。
せやけどほんまは、誰よりも周りを見とるし困った輩は放っておけん。
女性でいう姉御肌って言うたらええ?
ああ見えて後輩たちからも好かれてんねん。
宍戸程やないけど、岳人は岳人で面倒見がええんや。
やから自然と人が集まってくる。


そんな岳人を見とるのは、たまにしんどい。

俺以外の奴を側に置いて下らんことで笑ったり、一緒にふざけとったり。
時には真剣に向き合ってみたり。
別に束縛したい訳やない。
俺かてそないな事されたい訳やないし。
それなりの常識は弁えとるつもりや。
やけど気持ちは、そんな俺の意思を見事に無視しとる。


此処へ来て何度目の朝やろか。
同じ部屋の謙也と軽く朝食を済ませ、今日も一日テニス三昧。
ここに来てから俺は、岳人と距離を作った。
元々勝ち組と負け組で分かれとる。
グループも違う。
せやから話すきっかけも取れん。
そないな状態でも岳人は俺の所に来とった。
やけど最近は自分の事で忙しいのか回数が減った。
誰に対しても相変わらず一生懸命で、そないなとこがまた恋しくなる。

せやけど俺らは遊びに来たんやない。
俺はあの日、岳人を犠牲にして勝ち残った。
岳人が居らんなら残らんなんて冗談でも言うてみい、問答無用で殴られるわ。
最も、犠牲なんて言葉を使うなと怒られそうやけどな。

俺らはそれぞれ、足りない部分を探しに来た。
もう一度、一緒にテニスをする為にも。
それもあるし、今のままやとお互い駄目になるからや。

…なんて、ほんまは俺の嫌な部分を出したくないからや。




コートへ続く廊下、向かいから黒ジャージを着た奴らが向かってくる。
その中に見慣れな赤を見つけてしもた。
黒羽と神尾と桃城、えらい賑やかなメンバーやな。
俺は躊躇う事なく進む。
進まなあかんのや。

ケラケラと楽しそうに笑いながら向かってくる岳人。
決意とは裏腹に、真っ黒い感情が渦巻く。
白と黒に隔てられたジャージ。
越えられん壁が塞がっとるようで目眩がした。
俺に気付いた桃城が愛想よく声を掛ける。
それを無愛想気味に返すと、岳人と目が合うた。
お互い何も言わん。
こちらを黙って見つめたまま歩く岳人。
もうすぐすれ違う。


「!」


黒と白がすれ違う瞬間。
一瞬だけ、自分以外の手が触れた。


それが岳人だと気付いて慌てて振り返れば、歩きながらもこちらを振り向く岳人がいた。

「ユーシ、練習頑張れよ!俺もすぐ追い付いてやるから覚悟しとけー」

じゃあなー!と大きく手を振る。
それまで隔てられたはずの壁は、今はない。


自分以外を見ることによって渦巻く感情。
見えない壁に隔てられる感覚。
なにより、自分が一番であって欲しいという自分勝手な意思。
それらすべて、俺の嫌いな所や。

せやけどそれよりも、
周りに囲まれて楽しそうにする岳人。
後輩の力になろうとする岳人。
馬鹿正直にぶつかってくる岳人。
俺が居らんくてもケラケラ楽しそうに笑う岳人。


そんなお前が、






「…ほんまに敵わん」











自分の嫌な所より
そんなお前のことが好きで好きで仕方ないんやで。







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メインCPが薄くなっていたので
今日は忍岳!
あれ?でも今日は二回目の更新だ!

当サイトの忍足はなんでこんなに弱々しいのだろう…。
カッコいい忍足で忍岳、というのが理想です。
カッコよくならなくても、
ちょっとアンニュイで一歩先を行く位置にいたらいいなと。
現実は、アンニュイ通り越して弱々しい忍足ですが。。

いくら距離を空けても二人は深いところで繋がってるんだぞ!
忍足は自分よりも岳人が好きなんだぞ!(ちょっと違う)

…的なことを書きたかったのです。
文才、欲しい…。

お読みいただきありがとうございました^^


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03:18
桃岳:伸びるな、身長
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男たるもの
朝と風呂上がりの牛乳は欠かしちゃいけねぇな、いけねぇよ。
牛乳は大事な成長期を支える重要アイテムだぜ!


「でも、向日さんはもう伸びなくていいっすから!マジでやめてください!お願いしますっ!!」

「元からそんなに伸びてねえんだよ、元からな。桃城、テメー嫌味なら容赦しねぇぞ」

「だーって!だって、向日さんは小さい方が可愛いッスよ!!?」

「次、可愛いって言ったら口聞かねえからな」

「そんなぁ〜〜!」


「そこ、朝から喚き散らすとはたるんどる!」

「げ、真田…」
「真田さんすいませんっしたぁ!!」

あ〜…真田さんにまで怒られちまった。


ガヤガヤしていた食堂は一気に静まり返った。
同じテーブルを囲む向日と桃城は、元は敵同士とはいえ今では負け組を経て仲間である。
表向きは仲間であるが、裏を返せば恋人関係にある。最も、周りには明かしていないトップシークレットだ。

目の前で怪訝そうに、それでいて半ば自棄気味に牛乳を空けていく岳人。
身長が伸びないことが悩みな彼は、桃城の言葉に一気に不機嫌になった。
一方桃城の方は気まずそうにちらちらと窺う。
そんな桃城を無視し、岳人は空けた牛乳を飲み干し忍足の元へ向かってしまった。

「侑士ー」
「はいはい」
「まだ何も言ってねーじゃん」
「アホ、様子見とったら分かるわ」
「?…へえ、流石じゃん」
「好きなだけ居ったらええよ」
「サンキュ!」


(はぁ〜…不機嫌になっちまった…おまけに忍足さんかぁ、きっついな)

いつもそうだ。
不機嫌になると忍足さんのとこに行っちまう。
なんっか嫌だ、すっげえ嫌だ。
忍足さんがどうとかじゃなく、俺以外の人の元に行く向日さんの姿が。
もしかして嫉妬!?


「ちょっと、いいっすか」


気が付いたら俺は、向日さんの腕を掴んで返事も聞かずに連れ出しちまってた。


「ったく、なんやねん桃城の奴」

「そら見ろ金ちゃん、氷帝のヘタレが居るで」
「ヘタレ?丸眼鏡の兄ちゃんヘタレなんか!?」

「黙っとれ愉快コンビ。…四天宝寺のヘタレに言われたないわ」

「なんやて侑士!」


「たるんどるぞお前らぁー!!」


「「………。」」









勢い余って連れ出したはいいが、どうする?
とりあえず離せ、なんだよ、オイ聞いてんのか!?と騒ぐ向日さんを空いている部屋に連れ込んだ。

「言っとくけど俺は怒ってんだからな」
「えーと、…わかってます」

腕を組んでふんぞり反る姿は正しく怒っている。
だからこの人は、なにもわかっちゃいない。

「…桃?」
「ちょうど良いサイズなんすよ、今が」

たまらずふわっと抱き締める。
俺の胸にすっぽり埋まる向日さんの体を包み込む。腕の中で気まずそうに向日さんがため息を吐く。

「…んだよ、これが理由かよ」
「だから言ったじゃないッスか!もー、勘弁してくださいよ…手放したくないんすから」
「ぎゃはは、お前犬みてーで可愛いな」

よしよし、なんて調子に乗って頭を撫でようとする向日さんの手を掴む。
握ったままで、軽く唇を合わせた。





「それに、キスする時の身長差もちょうどいいんすよ」
「なっ……!」




それまで余裕ぶっていた表情がぼっと赤く染まる。

全く、可愛くていけねぇや。いけねぇよ。












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神岳賛同してくださった方がいまして、嬉しい限りです。
だったら桃岳もいけるだろう、なんて深夜テンションで書いてしまいました(笑)

キスする時の適切な身長差ってありますよね?
今回は桃が何cmか曖昧だったくせに書いてしまいましたが。。。

氷帝だったら忍足と岳人が適切な差だったような…ほんと曖昧だ。。
もし、わかる方いましたら教えてください(´・ω・`)




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